女性ファンを虜にする怪談ユニット「怪談社」インタビュー|夏のホラー部第2回

更新日:2015/8/17

取材中に目の前で自殺が!

――お二人が語っているのは、誰かが体験したという実話ですよね。取材はどのように?

紙舞:人に紹介してもらうというパターンが多いです。初対面の人にいきなり声をかけることもありますよ。上野公園が最近のホームグラウンドです。バスガイドさんが休憩していたりするので、全国の怪談が集まってくるスポットなんです。

――知らない人から怪談を聞き出すって、かなりの荒行ですよね。

紙舞:東京の人は、断るまでがめっちゃ早いんですよ。まあ、無理もないんですけど、ダメなときは目も合わせてもらえない(笑)。

――この人はいけそうっていうのは雰囲気で分かりますか?

紙舞:なんとなく分かりますね。経験的にですけど、服装がちゃんとしている人の方が、話してくれる率が高いとか。ときどきなぜか「絶対持ってるな」と分かることがあって、そういう時は、暇そうになるまでじっと待機してます。

紗那:話がおもろい奴は、ひとつふたつは怪談持ってることが多いかな。楽しませようという意識の強い人間って、必死になって絞り出すから。「怪談? ありません」っていう人は、必死に絞り出してないんちゃう。

――紗那さんの取材方法は?

紗那:前は地方によく行ってた。名刺を渡して「この土地の古い伝承を調べてるんです」っていうと、地元の年寄りに紹介してもらえるんですよ。京都や奈良は、面白い話がいっぱい聞けてよかったな。

――夜の街でも集めることが多いんですよね。

紗那:夜中ふらふらしてる奴はヘンなのが多いから、話も集まりやすいけど、あんまり賢い子がおれへんからね(笑)。微妙に頭の悪そうな怪談ばっかりで、それはそれで偏りがある。

――取材していて怖い目に遭ったことは?

紙舞:怖いというか、変な目に遭ったことならたくさんありますね。書けないことばっかりですけど……。そういえば、取材中に自殺に遭遇したことがあって。

――さらっとスゴい話が。

紙舞:京都の鴨川べりで取材をしていたら、救急車やパトカーがやってきて、あたりが騒がしくなったんです。ぼくはその時、パンチパーマのおじさんを捕まえて取材していたんですけど、目の前の川べりで昼寝している男性のところに人がわらわらと群がってきて。見に行くとその人、寝てたんじゃなくて手首を切ってたんです。

――怪談に関係ないけど、怖いです!

紙舞さん

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