仕事と人生の両方で成功するには——マンガで学ぶ! 京セラ稲盛和夫の哲学

ビジネス

2018/2/16

『まんがでわかる稲盛和夫フィロソフィ』(稲盛和夫:監修、小山鹿梨子:まんが/宝島社)

 平日は連日残業が続き、休日は余暇を楽しむ暇もなく会社のメールのチェックに追われる。働きづめの毎日で生きる意味を見失いかけている人も多いのではないか。「わたしの人生はいったい何なのだろう」「何のために働いているのだろう」とふと考えてみても、答えはなかなか見つからない。『まんがでわかる稲盛和夫フィロソフィ』(稲盛和夫:監修、小山鹿梨子:まんが/宝島社)は、ビールの売り子のアルバイトを始めた、主人公の奮闘を通して「稲盛フィロソフィ」について学べる1冊。本書が教えてくれるのは、仕事に対する考え方を変え、人生を豊かで充実したものにするための哲学だ。

■仕事で新しいことを成し遂げるためには

 これから、ビジネスの世界で競争を勝ち抜いていこうと思うとき、これまで活躍してきたビジネスマンの手法を真似ていてはダメだ、と稲盛氏は説く。競争を勝ち抜いていくためには、新しいことを成し遂げる必要が出てくる。このときに大切なのは、「楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する」ことだという。

「自分は何でもできるんだ」という無限の可能性を信じることなしには、なかなか前へは進めない。だから、アイデアを出す場面ではとことん楽観的になることが必要だ。構想を具体的な計画にしていく段階では、とにかく悲観的にならなければならない。考えられうるすべてのトラブルをリスト化し、細かい対策を練ったり準備をしたりする必要があるからだ。そして、実行の段階に入ったらまた楽観的に戻ったほうがよい。計画を丹念に行ったのだから「何とかなるはず!」と自分に言い聞かせて、弾むような気持ちで仕事に取り組もう。そうすれば、新しいことを成し遂げることに対して、これまでよりもずっと意欲的になれるに違いない。

■越えられない壁にぶつかったときに「本当の勝負」が始まる

「あきらめなければ必ず成功する」という考え方に辟易している人も多いことだろう。しかし、稲盛氏はこの言葉にこそ人生で成功するための秘訣が隠れていると言う。ただ「あきらめなければ成功する」と考えるのは甘い。「成功するまで」あきらめなければ成功率は100%になると考えてみてはどうだろう。

 成功するまでの道のりには、少しの努力で越えられる壁もあれば99%のちからをふり絞ってもなかなか越えられない壁もある。なかなか越えられない壁にぶちあたったときが勝負の始まりだ。その壁をそう簡単に越えられないのは自分だけでなく、他人も同様だ。「なにがなんでも越えてやる」という気持ちで目の前のことに取り組むことで、妥協を許してしまう人と差をつけることができるのである。他人と差をつけられるということは、それだけ熱意をもって取り組んでいることが周囲に認められ、信頼を得るチャンスになるのである。

 本書を開けばそこには常に稲盛氏の熱い思いがあふれていた。本書に関して伝えたいことはまだまだたくさんあるが、ここから先はぜひご自身で手に取っていただき、稲盛和夫の哲学を堪能してもらいたい。そして、さらに深く知りたいと思うならば、巻末の参考文献リストから稲盛氏の著書をさらにたどって、彼の哲学を深めてほしい。

文=ムラカミ ハヤト