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繋がれた明日 (朝日文庫)

繋がれた明日 (朝日文庫)

繋がれた明日 (朝日文庫)

作家
真保裕一
出版社
朝日新聞社
発売日
2006-02-07
ISBN
9784022643599
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繋がれた明日 (朝日文庫) / 感想・レビュー

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ころりんぱ

主人公の思いを描いた地の文章や台詞に説明口調が多いのが気になったけど、殺人事件を起こして服役し仮釈放というデリケートな時期の事を、よくもまぁこんなに丁寧かつ面白い(と言ったら語弊はあるのだけど)ストーリーを作り上げたもんだ、と思いました。過去を乗り越えて真面目に生きようとする主人公に次々と降りかかる困難。どんな理由があれ人を殺したという事実が全て…いくら反省しようが懺悔しようが、被害者や世間は許してくれない。それでも生きて行かねばならない。まさに繋がれた明日。主人公の成長につきあいながら、最後には涙目。

2014/10/21

ぴ〜る

人には犯しちゃいけないルールがあって、法律は人が仕方なく決めたルールのひとつで本当はもっとおろそかにしちゃいけない人の道がある。。。本当にそうだと思う。この手のテーマはいつも立ち位置に寄って感情も左右されるし答えも出せず深く考えさせられる。恨んで憎むことでしか生きていけない被害者家族の苦しさや、心底過去を後悔して前に進みたいけれど進ませてはもらえない苦しみがとてもリアルに描かれていた一冊だった。

2017/11/15

gonta19

2007/3/30 SFOからKIXへのフライトで読む予定であったが、北京行きに変更や疲れから読めず。 2010/9/29 自分の彼女にちょっかいを出した男に釘を刺すつもりで詰め寄った中道隆太は、勢いで男を殺してしまう。なんとか仮釈放となり、地道に生きようとした隆太であったが、「この人は人殺し」と書かれたビラをまかれてしまう。一体誰がまいたのか?犯人を捜し始めた隆太の前にはさまざまな障壁が立ちはだかった。  罪をつぐなって出獄した犯人に対する我々日本人の感情、犯人サイドの自分だけが悪いわけではない、と

2010/09/29

オリーブ

主人公は未成年時に殺人を犯して6年の刑期で仮釈放された隆太と言う26歳の男でした。世間は前科者である自分をどういう目で見ているのか、自分は更生への努力の結果一時でも幸せを掴んではいけないのか、罪を犯したわけではない母妹までも苦しむべきなのか、被害者の家族が自分を恨んだままでいるのは当然だとしても謝罪さえ受け取ってもらえず、弁明の機会さえ与えてもらえないことへの苦しさなど、恨みと反省との間で揺れ動く気持ちが見事に表現されていた。一つの事件がどれ程の人たちの人生を狂わせるのかを知ることが出来る本だった。

2014/12/07

ペトロトキシン

刑期を終えるということは、法の上での償いが完了することであって、決して人を殺したという事実が消えるわけではない。贖罪という意味では一生続いていくものである。しかしながら、被害者家族が刑期を終えた加害者の社会的な前進を妨害する事と贖罪がイコールとなってはならない。被害者家族の気持ちは解るが、決して加害者を社会的に制裁する免罪符を得たのではない。

2012/09/20

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