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天使・雲雀 (角川文庫)

天使・雲雀 (角川文庫)

天使・雲雀 (角川文庫)

作家
佐藤亜紀
出版社
KADOKAWA
発売日
2020-08-25
ISBN
9784041092682
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ジャンル

天使・雲雀 (角川文庫) / 感想・レビュー

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小夜風

【所蔵】面白かったけどめちゃくちゃ読み難くて苦労した。第一次世界大戦前後のオーストリア=ハンガリー帝国を描く歴史物であり、特殊能力を訓練するSFであり、主人公ジェルジュの半生の物語。他者の思考を読み、操ることも出来る〈感覚〉という能力が、書かれていることをいくら読んでも情景がなかなか浮かばなくて、自分の想像力の足りなさに悲しくなった。話はとっても面白いのに、とにかくいろんなことが判り難くて、置いてけぼりにされながら読んでしまった印象。でも本当に読み応えがあり面白かった。世界史をもう一度勉強したくなった笑。

2021/06/11

きゃれら

第一次世界大戦をオーストリアから見た歴史スパイロマンとサイキックウォーという異質な要素を組み合わせた上に、「天使」「雲雀」とのタイトルで、そういうユニークさを全く感じさせない、という特異な作品。他の方の感想にもあるように、読み易いとは言えず、僕は物語から迷子になることが何度かあったが、ページをめくる手を止めることはできなかった。こういうのは、きっと、ほかの作家には真似できないんじゃないか。とても日本的な感じもあって、海外にもこういう作家はいない気がする。とにかく普通じゃなかった。

2021/06/25

hoiminsakura

どちらの作品も再読。初めて読んだときは背景も地理もすっ飛ばしてしまったためよく解らなかったが今回は歴史や地理を調べ、名前やあらすじをメモしながら読んだので完全なおいてけぼりにはならずに済んだ。SFの要素が色濃いが、人物は思考も行動も硬質で佐藤亜紀に期待するところを裏切らない。というか作者は読者の期待とかついて来るか否かなんて全く関心なく走り抜けて行ってしまうのだが。

2022/11/17

鳩羽

飲んだくれのバイオリン弾きに育てられていたジェルジュは、他人の感覚を読んだり干渉したりする能力を持っていた。やがて顧問官と呼ばれる男に引き取られ、教育を授けられて、さらに能力を開花させていく。第一次世界大戦前のオーストリアで工作員のような仕事をしながら、誰のための、何のための仕事なのか分からないまま、ジェルジュは任務に翻弄されていく。…特殊な能力、環境にある主人公だが、成長や反発、出生が明らかになるところや、束の間の友情、女関係など、エピソードには王道感があって、重苦しい雰囲気ながらも楽しめた。

2020/10/13

本とフルート

「スイングしなけりゃ意味がない」に続き、佐藤亜紀さんの作品は2冊目。歴史的な背景を生かして切って、描き出された世界に没頭した。戦闘場面の迫力に、息づく人々との出会い、そしてもちろん筋書きもまた、夢中にさせてくれる。同じ第一次世界大戦を描いた作品でも、作者によって全く視点が異なることが興味深い。

2021/01/10

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