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隠居すごろく (角川文庫)

隠居すごろく (角川文庫)

隠居すごろく (角川文庫)

作家
西條奈加
出版社
KADOKAWA
発売日
2022-02-22
ISBN
9784041119006
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隠居すごろく (角川文庫) / 感想・レビュー

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ぶち

巣鴨で六代続く糸問屋の主人徳兵衛は、仕事一筋で生きてきた頑固で短気なおじいちゃんです。還暦を機に自由気ままな隠居生活に入ることを勝手に決めちゃいました。ところが、仕事一筋でやってきて趣味や道楽も友人もなく、夢見た風流な隠居生活とは大違い。無聊を囲う日々です。私、この頑固じいちゃんの性格に馴染めなくて、読むのを途中で止めようかとも思いました。ところが、孫が隠居場所に訪ねてくるようになって、物語が動き出しました。よくある孫や子供の成長物語ではなく、おじいちゃんの成長物語に化けていったんです。うん、面白い!

2023/12/18

くりきんとん99

西條奈加さんは、やはり面白い。今回は、隠居する徳兵衛の物語。隠居した徳兵衛の元にいろんな相談事が持ち込まれるのか?と思いきや!癇癪持ちでお金にうるさい徳兵衛の元に訪れたのは、可愛い孫の千代太。千代太が持ち込むのは、野良犬から子供に!そしてどんどんと徳兵衛の元には、人が集まってくる。静かな陰極暮らしの予定が・・・。なんだか意外な展開で、最後まで面白かった。もうちょっと読んでたかったな〜。

2022/03/30

ふう

時間とお金にゆとりができたとき、それらを何のために使うのか、考えさせられる作品です。その答えを導き出してくれたのは、まっすぐな気持ちをもった孫。でも、きっと元々は本人の中にあったものなのでしょうね。大切なのは人と人の繋がりや思いやり。それがあってこその商売であり、お金もうけであると、ほろっとさせられる人生訓が散りばめられた味わい深い「すごろく」でした。

2022/12/06

ゴルフ72

徳兵衛さんが隠居した。単なる隠居後の話ではない…孫の千代太がそのきっかけになって本当の自分と商いの本質を子供たちから教えてくれる。徳兵衛さんが残したものは孫の代へ・・・面白かったぁ!NHKでドラマ化ですね!

2022/12/31

えみ

人生は上がりのない双六。沢山の人たちに手渡され、その度に振られる賽子。人は一人では進んでいけない。誰かと関わり、他人を引き受け自らを預け、そうして漸く色彩の付いた盤上で動くことができるのだろう。手堅く実直に生きることは重要だし、褒められはしても悪く言われることはない。しかしそれは“面白味ない人間”“喜びの少ない人生”なのかもしれない。唯々寂しい。良し悪し分からない他人に振ってもらった賽の目で生きる、それもまた一興。真面目一徹、仕事一筋だった徳兵衛が隠居生活で見つけた「豊かさ」にハッとさせられる感動の一冊!

2022/05/04

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