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骨灰

骨灰

骨灰

作家
冲方丁
出版社
KADOKAWA
発売日
2022-12-09
ISBN
9784041119952
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都会の地下が怖くなる禁忌のモダンホラー『骨灰(こっぱい)』冲方丁インタビュー

 ※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2023年2月号からの転載になります。

 日々姿を変える東京。中でも渋谷駅周辺は100年に1度という再開発事業が進められており、変化が著しい。この活気に満ちた街の地下深くに、恐ろしい秘密が隠されているとしたら……。冲方丁さんの『骨灰』は、そんな暗い想像を刺激する都市型ホラー長編だ。

(取材・文=朝宮運河 写真=干川 修)

「ホラーといえば“地方の異常な村”が描かれることが多いですが、そればかりじゃないだろうと。むしろ大都会の真下にヤバいものが埋まっていたという話の方が、自分にとって書く意味があると思えました。以前、渋谷の街を歩いていたら渋谷川の暗渠の蓋を開けているところに遭遇して、暗い穴が地下に広がっている光景にぞっとしたことがあります」

 主人公は渋谷駅の再開発事業を請け負う大手デベロッパーで、投資家向けの広報を担当している松永光弘。彼の部署はこのところ正体不明のツイッターアカウントに悩まされていた。47階建ての高層ビルが建てられている通称東棟の地下工事現場から、何者かが悪意ある投稿をくり返しているのだ。「いるだけで…

2023/1/10

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骨灰 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

鉄之助

今年7月の直木賞候補作、ワクワクしながら読んだ。全編「祟り」「骨が焼けた臭い」「白粉の足跡」がおぞましく迫ってきた。本の装丁のデザインが良くできている。舞台は渋谷駅の再開発巨大ビルの地下深く…。そんなこともありそうなリアルに襲われる。考えてみれば、我々も「死者の上で生活している」ようなものだ。

2023/09/26

パトラッシュ

戦争や災害で無数の屍を重ね、葬られなかった骨が灰と化した土地が祟りを招くとの言い伝えは東京では珍しくない。これまで裏の地鎮を司る企業により何とか抑えられてきた祟りが、渋谷の高層ビル建設現場で起こってしまったら。経済合理性が最優先される今、現在進行中の巨大再開発プロジェクトで怪奇現象が続発して人が取り込まれていく有様は、あり得るかもしれないとの恐怖で背筋を冷たくさせる。政治軍事上のリアル描写に弱い部分のあった著者は、むしろ空想やファンタジー要素と融合させた作品こそ本領ではと思わせるホラー小説の成功作だろう。

2023/06/01

青乃108号

これは恐ろしい。描写されるイメージがいちいち強烈過ぎて、夢に見そうで恐ろしい。匂い、渇き、熱さ、そして骨灰。読み手の五感を直に攻撃してくるようなイメージの連続に魅入られ、本を閉じる事が出来ない。家族を守る為、満身創痍になっても闘う父親の姿に胸熱で、なおさら本を閉じる事が出来ない。読んでる間、俺の顔に浮かんでいたのは、おそらく凶相。息もつかせずようやく読み終えて、解き放たれて、隣に嫁が寝てくれてるのが何とも言えず嬉しかった。

2023/08/07

bunmei

直木賞候補として珍しいホラーミステリー。最初からゾワゾワ、ゾクゾクさせるシーンの連続。読書中に背後に何か居ないかを確かめたくなる気配を感じながらも、次の展開が気になる筆致に呑み込まれていった。地中奥深くに降りていく真っ暗階段から、地図にもない此の世とあの世の境界を彷徨う様な祭祀場の深い穴が舞台。そこに結界、人柱、祟り、骨灰といったジャパニーズ・ホラーらしいおどろおどろしい言葉を散りばめ、迫り来る見えない恐怖を感じさせる作品。弱き立場の妊婦や子供が巻き込まれ、取り憑かれた男が壊れていく様が、恐怖を煽る。

2023/07/07

うっちー

何かわからない世界でした

2022/12/31

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