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化け者手本

化け者手本

化け者手本

作家
蝉谷めぐ実
出版社
KADOKAWA
発売日
2023-07-28
ISBN
9784041136362
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化け者手本 / 感想・レビュー

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のぶ

「化け者心中」の続編。前作の時も感じましたが、蝉谷さんの文章には独特のリズムというか、節回しがありますね。それが読んでいて心地良いです。物語は文政時代、江戸随一の芝居小屋中村座にて『仮名手本忠臣蔵』の演目を終えた客席から屍体が見つかる。その屍体は、首の骨を折られて両耳に棒が突き立てられていた。中村座座元は、鳥屋の藤九郎と元女形の魚之助に真相解明の依頼をする。話を聞くと、その屍体は実は2人目であった。前作同様、藤九郎と魚之助が中心になってストーリーを進めていく。このふたりのコンビが本作の魅力だと思う。

2023/08/25

mike

「化け者心中」続編。芝居小屋中村屋で起きた奇怪な殺人事件。元女形魚之助と鳥屋の藤九郎が真相解明に乗り出す。ものすごく面白いとは思わないけど、この独特の語り口が小気味よくてクセになる。魚之助と藤九郎は各々の心情の変化を自覚している。分かり合えそうで、するりと躱され、しかし、離れる事もできなくなってしまっているふたり。もう少し行く末を追ってみたい気になる。

2024/02/06

みゆ

シリーズ2作目も面白かった~ヽ(^o^)丿芝居小屋、歌舞伎役者、芝居の演目… 道具立ては時代物だが、今に通じるモノを感じる。芝居に取り憑かれ人の道を外れることも厭わない芝居者。評判を得るためには何でもアリの役者や座長は過激系YouTuberと同じだよな~と思ってしまう。化け物のような心根の人と、人の心を持とうとした化け物の対比が鮮やかな一冊でした('∇^d)☆!!

2024/01/27

aquamarine

中村座「仮名手本忠臣蔵」の幕が下りた時、客席には首を折られ両耳から棒の突き出た遺体が転がっていた。これは何かの見立て殺人か、あるいは…。鳥屋の藤九郎と女形の元役者魚之助は真相解明に乗り出すことになる。前作同様江戸の人々の生命力と、役者の狂おしいほどの渇きと業に圧倒される。芝居小屋の板の上、現と嘘をないまぜに、人間の部分をどれだけ捨てたら満足できるというのだろう。藤九郎と魚之助の関係も、変わらずお傍にと思う藤九郎に対し魚之介は少しずつ自分を見つめ直し、変わっていくことになりそうだ。今回も大好きな世界を堪能。

2023/09/08

がらくたどん

前作から3年の時を経て足のない元女形と足代わりの純朴鳥屋の芝居小屋怪異帖が再び開幕。人魚と鳥が二人羽織で挑むのは大看板中村座のとても人の仕業とは思えない世にも奇怪な見立て連続殺人。折しも人気二座では過去の実話を翻案した仇討ち狂言が絶賛上演中。愛の為・義の為ならば死ぬも殺すもの筋書きに「これぞ手本」と熱狂する老若男女を繰るはずが、役者もいつしか芸と命の天秤棒の担ぎ手になって行く。猥雑な芝居小屋のむせかえるような化粧粉を透かして玄人役者が人の道に堅気の青年が芸道の業に互いの心を寄せ合う様が愛おしい。お見事!

2024/01/26

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