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シティ・オヴ・グラス (角川文庫 赤 オ 4-1)

シティ・オヴ・グラス (角川文庫 赤 オ 4-1)

シティ・オヴ・グラス (角川文庫 赤 オ 4-1)

作家
ポール・オースター
Paul Auster
山本 楡美子
郷原 宏
出版社
KADOKAWA
発売日
1993-11-01
ISBN
9784042664017
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シティ・オヴ・グラス (角川文庫 赤 オ 4-1) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

今では信じられないことだが、このオースターの記念すべきデビュー作は、発表当初はミステリーに分類されていた。したがって、日本でも山本楡美子・郷原宏といったいわゆるミステリー翻訳者がこれを訳すことになった。当時は、この作品をどう理解していいかの混乱状況にあったことが分かる。作品は、赤い手帳に記されたクインの手記をメタ・フィクションが包みこむ形式をとっており、全体を覆うのは不条理である。そして、その不条理と混沌とは、タイトルの「ガラスの街」ニューヨークと、またオースター自身に実にふさわしいものなのだった。

2013/01/27

Hideto-S@仮想書店 月舟書房

「ポール・オースターをお願いします。探偵の……」。全ては間違い電話から始まった。好奇心から私立探偵に成りすました作家クィン。依頼内容は男の尾行。息子を虐待し刑務所に収監されていた男が出所する。依頼主である息子の妻の肢体に惹かれつつ、クィンは尾行を始める。男が残す謎めいた言葉の断片。何かが起こりそうな予感。しかし起きない。依頼主への電話は繋がらなくなった。いつしか、クィンの心に変化が生じていく……。《いつもの日々》は決して地続きじゃない。人の脆さと危うさをスタイリッシュに描く『ニューヨーク三部作』第一作。

2015/08/14

セウテス

ニューヨーク三部作の1作品目、ポール・オースターの初期の代表作品。「それは間違い電話で始まった」、作家クィンの元へ何度もポール・オースターという探偵への依頼、間違い電話がかかってきていた。ある日クィンは、ポール・オースターに成り代わり依頼を受けてしまう。本作はミステリー仕立てではあるものの、ミステリーとしての解答は無く、しかも何が起こったのかも結論は説明はされません。それでは詰まらないのかと言われれば、たいへん面白い作品です。スリリングな展開も楽しめますが、思索的な道程そのものに魅力を感じる作品だと思う。

2016/05/24

tototousenn@超多忙につき、読書冬眠中。

『ガラスの街』が柴田元幸訳で新潮文庫で、この『シティ・オヴ・グラス』は山本楡美子・郷原宏で角川文庫ということだったのか、数頁読み進めて気がついた。よって『ガラスの街』柴田元幸訳、新潮文庫にて既読。

2020/12/28

どんぐり

ポール・オースターのニューヨーク三部作の第1作。作家クィンが1本の間違い電話から探偵と誤解されたまま依頼人の仕事を引き受けることになる。クィンは、私立探偵マックス・ワークを主人公にした小説を書いており、クィンはワークの虚の世界から実の世界でも探偵役を果たそうとする。依頼人から受けた仕事は、スティルマン教授の密偵であった。教授の後をつけ回し、いつの間にか、相手を見失い、虚と実の世界で対象なき自分の不在を知るのだった。

2013/08/27

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