KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

吹けば飛ぶよな男だが

吹けば飛ぶよな男だが

吹けば飛ぶよな男だが

作家
渋谷龍太
出版社
KADOKAWA
発売日
2023-03-01
ISBN
9784048971058
amazonで購入する Kindle版を購入する

「吹けば飛ぶよな男だが」の関連記事

SUPER BEAVER渋谷龍太のエッセイ連載「吹けば飛ぶよな男だが」/第34回「貫け、括弧笑」

 やめたくてもやめられないことが世の中にはたくさんある。ある人はアルコール、ある人はギャンブル。依存なんていう大袈裟な言葉もあるが、日常のなかで無目的に携帯電話を見てしまったり、なんとなくテレビをつけてしまったりも、そういう些細なことだってそれに該当すると思う。快楽、安堵、習慣。人はきっと、飲み込まれやすいのだ。  かく言う私にもやめたくてもやめられないものがある。ただ、私のそれは快楽や、安堵や、習慣といったものより余程たちの悪いものだったりする。「プライド」ってやつだ。  これが理念になってしまうと、自分で自分を苦しめる結果に陥りやすい。人から無理だと言われた夢や、莫大に時間を費やしてきた目標など、どうにも引くに引けなくなってしまったことが、わかりやすくそれに該当すると思う。見返してやりたくなったり、ここまでやったんだからと思ってしまったり、もちろん結果が良い方向に転べばとても素敵なことであることは間違いない。ただ、当初のキラキラした志が消え、そしてさまざまなものを鑑みず、「プライド」が一番先頭を走ってしまっている状態は、あまり良い状態だとは思…

2024/4/27

全文を読む

SUPER BEAVER渋谷龍太のエッセイ連載「吹けば飛ぶよな男だが」/第33回「お墓参り」

 人は忘れられた時が本当の死だ、と耳にしたことがある。正直な話、何言ってんだ、と思ってる。抱きしめられなきゃ、笑っている顔が見えなきゃ、頑張っている姿を見てもらえなきゃ意味ないんだよ、と。ただ私の心の深いところにうっかり届いてしまったのは、どことなく腑に落ちた部分があったからなのだろう。  誰かが忘れさえしなければ、「生きてないけど、死んでない」みたいな。    高校の時に仲の良かった友達がいた。  いる、ではなく、いた。  余計なお世話かもしれないが奴のことを定期的に思い出すようにしている。他に思い出してくれる人なんてたくさんいるから、奴は死なないんだけど、それでも。    あ、ちなみにここで書きたいのはずっしりくる話じゃない。生と死にまつわることなんかじゃ断じてない。ただの面白い話だ。自分で面白い話って言ってる人の話って往々にしてつまらないんだけど、多分大丈夫。生きる意味なんて正直わからない。でも「面白い」に勝ることってこの世にあるのかしら。面白いことくらいは、ずっと覚えていたい。

          *

 Uが死んで、二年経…

2024/3/27

全文を読む

関連記事をもっと見る

吹けば飛ぶよな男だが / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

やも

ジャケ買いだったけど想像よりずーーっと良かった、かっこよかった、可愛かった、優しかった、面白かった👍オススメ!!👍さもない日常の小ネタを集めた、肛門をとっぱらってコンパクトにまとめた朝井リョウ感のある「吹けば飛ぶよな」話をまとめたエッセイ集+短編小説。オーケンっぽさもあったな。著者さんはバンドマンらしいしね。そんで小説もいい、うまい!!👍これはエッセイとセットで読まなきゃね。ちょっとハートフルな伊坂さん味ある。確実に完全オリジナルなのに、例えてばっかでごめんね。ここは読メなんで許してね、渋谷さん。

2023/04/15

akiᵕ̈*

ただ、ただ驚いた!唸った!笑った!こんな文才をお持ちの方だったとは!まさに今日ちょうどCD TVでLIVE出演されるSUPER BEAVERボーカル渋谷さんのエッセイ&書き下ろし小説を含む1冊。独特で巧みな言葉を自由自在に操る表現力に、終始ニヤけっ放しだった。日常の中で一体どれだけの思考が働いているんだろうと思ってしまう。渋谷さんにとって日々の出来事は全てネタになって出せそう。小説はユーモアの中に、そこには愛と優しさ人らしさがあると思えるちょっとジーンとくる日常の一コマが描かれている。今後の執筆も楽しみ♪

2023/04/17

ぴよぴよ

大絶賛のレビューを拝読して興味を持った。失礼ながら全く著者を知らず、予備知識ゼロで手に取った。結果、面白かった!エッセイ部分(特に「ワインはいかが?」)では吹き出し、小説部分では少し不思議な話の中にもホロッときた。エッセイと小説が少しリンクしているところも、よかった。 読メをやっていなければ出会わなかったであろうこの作品。大絶賛のレビュアーさんに感謝!!

2023/08/07

mariann

渋谷氏2冊目。前作は自叙伝的な要素で成り立っていたけれど今回は日々の生活が垣間見られるエッセイ。そして何と小説まで!それにしてもな着眼点。エッセイなのにきっちり落ちをつけてくるし、それが笑えるのがなんか悔しい(笑)そして小説。なんとも言えない癖の強さだけど中盤あたりからグイグイ引き込まれて。エッセイとリンクまでしちゃっててマジか〜!って(笑)面白かったです。良作。

2023/07/07

ゆーり

ダ・ヴィンチWeb版で現在進行形に連載しているエッセイの書籍化。FMの木村拓哉の番組にゲストで出た時の話も書下ろしで掲載。ぶーやんはどことなく育ちがいいイメージがある。言葉の端々、立ち居振る舞い。BEAVERの経歴は前の著作にもあるけど、自分に素直で人にも性格を飾らないからなんだろうな。色々ある変でメンドクサイこだわりが、ぶーやんを普通じゃないカッコイイバンドマンにしてるのかも。小説のラストは「参ったな、うん、参ったわ」と私も思った。そして「良かったな、うん、良かったよ」と嬉しくなった。

2023/03/21

感想・レビューをもっと見る