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掬えば手には

掬えば手には

掬えば手には

作家
瀬尾まいこ
出版社
講談社
発売日
2022-07-06
ISBN
9784065282489
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「掬えば手には」のおすすめレビュー

『そして、バトンは渡された』著者最新作! 平凡さにコンプレックスを抱えた大学生を巡る、究極にやさしい物語

『掬えば手には』(瀬尾まいこ/講談社)

 どうして自分には何の取り柄もないのだろう。何をやっても平々凡々。何か秀でた才能とか、不思議な力でもあれば、もっと自分を誇れるはずなのに……。誰だって一度は、そういうふうに自分の能力のなさに悩んだ経験があるのではないだろうか。

『掬えば手には』(瀬尾まいこ/講談社)は、そんな平凡な自分に悩む人を勇気づけるような一冊。著者は『幸福な食卓』や『そして、バトンは渡された』で知られる瀬尾まいこさん。読む人を優しく包み込むような温かな物語だ。

 主人公は梨木匠。何をやっても平均点。「ナンバーワンにもオンリーワンにもなる要素がなくて、個性と言えるものは一つも持ち合わせていない」自分にコンプレックスを感じている大学生だ。だが、彼は中学生の時に「エスパーのように人の心が読める」という特殊な能力に気づき、以来、その能力をずっと誇りを持ち続けている。梨木は口が悪い店長・大竹さんが経営するオムライス屋でアルバイトをしているが、ある時、そのレストランに看護学生の常盤さんがアルバイトとして加わった。梨木以外の今までのアルバイトは、大竹さん…

2022/8/21

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掬えば手には / 感想・レビュー

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starbro

瀬尾 まいこは、新作中心に読んでいる作家です。本書は、青春オムライスファンタジーの佳作でした。 私は、オムライス好きなので、NONNAのオムライスを是非食してみたい。 初回限定のショートストーリー「アフターデイ」もGOODです。 https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000366828

2022/08/20

さてさて

『ぼくには人の心の中を読み取れる能力があるんだ。漏れてくる思いを感じられる力』。『普通』、『平凡』という言葉を強く意識する中に自らが持つ『特別な能力』に自身のアイデンティティを見出す主人公の梨木の日常が描かれるこの作品。そこには、人と人との関係性の中で『特別な能力』と向き合う梨木の姿が描かれていました。極めて読みやすい物語が心にスッと入り込んでくるのを感じるこの作品。登場人物のまさかの繋がりに驚かされるこの作品。瀬尾さんが描く優しさに満ち溢れた物語世界の魅力にすっかり心を持っていかれた絶品だと思いました。

2023/07/31

うっちー

前作の感想にも書きましたが、瀬尾さんの作品の登場人物はいい人ばかりです

2022/07/28

tetsubun1000mg

「そして、バトンを」以降の作品の中では一番気に入った本でした。 今回は芸術家の両親から生まれたが、才能を引き継いだ姉とは全く違って平凡な梨木くん。 キャラクターの設定が抜群で、バイト先のパワハラ店長にだんだんと心を通わせていく過程が凄くいい。 出会う同級生や同僚の心の苦しみを捨て身で助けようとするところをうまく文章にしている。 ほのぼのした展開だが、終盤はやや重くなってきたかと思わせておいて、最後はあったかい気持ちにさせてくれる。 瀬尾さんならではの味で大満足の一冊で、個人的今年のベスト10に入れたい。

2022/11/12

まちゃ

面白かったです。映像化されそうな優しい作品。ナンバーワンにもオンリーワンにもなれない平凡さに悩む梨木匠。だが、彼は相手の気持ちを感じ取り、手をさしのべる勇気を持っていた。匠の優しさが周囲の人の心を軽やかにしていく物語。人が悩んでたり落ち込んでたりすることを感じることができたとしても、その人のために行動することはなかなかできることではないと思います。おせっかい力は偉大だ。

2022/09/19

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