ミチクサ先生(下) (講談社文庫)
ミチクサ先生(下) (講談社文庫) / 感想・レビュー
こーた
後篇では、英国留学から『猫』執筆を経て、専業作家へ。正岡子規、妻・鏡子、高浜虚子、寺田寅彦。家族や友人、弟子たちとの交流から、大小説家・夏目漱石の誕生が描かれる。シェイクスピアはやはり一度はひととおり読んでおかなければならないな。発表媒体(日経新聞連載)の影響もあろうが、そのエピソードの描写はサーヴィス精神にあふれている。万人が読めて愉しめることも大事だが、もうちょっと教養を重んじてもいいのでは、とおもわないでもない。少なくとも漱石は、当時の新聞連載でそうしていたのだから。
2023/07/21
じいじ
金之助(漱石)の活躍ぶりは公私ともに忙しさを増して、さらに面白くなります。夫妻に待望の赤ちゃん誕生。妻の悪筆が遺伝しないことを願って筆子と命名。そして、親友の正岡子規にに宛てた句〈安々と海鼠如き子を産めり〉で、家内に一悶着発生です。こんなに一冊まるごと面白いのは何時以来だろう? 何処がポイントか考えてみました。夏目の小説はそこそこ知っているが、夏目の人柄や私生活は何も知らないからです。その漱石を取材してここまでに仕上げた伊集院氏に敬意を捧げたい。そして、この本を読んで、もっと夏目漱石が読みたくなりました。
2023/08/16
かずぺん
私が夏目漱石を好きになったのは50年ほど前の中学生の時でした。高校生になって中長編をすべて読みました。「こころ」は10代20代30代40代と再読し年齢によって感じ方が異なることに気づきました。大好きな漱石を思い出させてくれました。
2023/09/27
とさり
夏目金之助(漱石)の後半生。教育者の道を捨て、作家として次々と名作を世に送り出す才覚に改めて圧倒される。その上、名編集者として名だたる作家たちを次々に文壇にデビューさせたこともこの作品で初めて知った。彼の足跡は、私のような凡才には到底及びもつかないが、それでも彼のような”みちくさ人生”に憧れる。還暦を過ぎた今からでは遅いかもしれないが、これから少しずつ増えるであろう自由な時間で、これまでできなかった”みちくさ”をしてみたい。夏目漱石とその功績を教えてくれた伊集院さんに心からの賛辞を贈りたい。
2023/11/08
よっしー
★3.5 夏目漱石って作品しか知らなかった。人間味がわかって、より興味がでてきた。
2024/03/20
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