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パラ・スター 〈Side 宝良〉 (集英社文庫)

パラ・スター 〈Side 宝良〉 (集英社文庫)

パラ・スター 〈Side 宝良〉 (集英社文庫)

作家
阿部暁子
出版社
集英社
発売日
2020-03-19
ISBN
9784087440911
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「パラ・スター 〈Side 宝良〉 (集英社文庫)」のおすすめレビュー

車いすテニスに傾ける情熱! プレイヤーとエンジニア、両者の視点で描いたスポーツ×仕事×青春小説!!

『パラ・スター 〈Side 百花〉』『パラ・スター 〈Side 宝良〉』(阿部暁子/集英社文庫)

 2020年はオリンピック・パラリンピックイヤー。ましてや自国開催とあって、国民の関心が高まっている。そんな中、2カ月連続で刊行されたのが『パラ・スター』(阿部暁子/集英社文庫)。パラリンピック競技の中でも「車いすテニス」にフォーカスを当て、〈Side 百花〉では競技用車いすのエンジニアを目指す山路百花を、〈Side 宝良〉では車いすテニスプレイヤーの君島宝良を主役にした物語を描き出している。

 百花と宝良が出会ったのは、中学2年のこと。標準体重を大幅にオーバーしていた当時の百花は、一部の女子から「モモ豚」と罵られ、いじめを受けていた。そんな百花を救ったのが、孤高のテニス少女・宝良。とはいえ、彼女は百花を助けようと思ったわけではない。「あんたみたいな自分で戦おうとしないやつは、反吐が出るほど嫌いなの」──このひと言をきっかけに、百花は不甲斐ない自分を変えようと、必死で宝良に食らいついていく。

 宝良のトレーニングにくっついて走るうち、体重も落ち、同級生か…

2020/3/19

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パラ・スター 〈Side 宝良〉 (集英社文庫) / 感想・レビュー

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しんごろ

前作は百花視点で、今回は宝良視点。クールで気も強く、会話とか不器用というか…、でもひとつの事にのめり込む宝良って、アスリートなんだなあと思う。こういう人は強くなるよね。百花とはホントにいいコンビ。馴れあいのない真の親友だと思う。(ただ百花の宝良が大好きの気持ちがすごすぎる)車いすテニスの試合の臨場感があり迫力を感じ、実際に試合を観にいった感覚に陥った。宝良、どんどん強くなって、いつか百花の作った宝良専用の車いすで試合してほしいね。百花に宝良!2人とも頑張れとエールを送りたい。

2020/06/19

海猫

〈Side 百花〉から続く、〈Side 宝良〉はスポーツ小説としての面白さが本格的になった。スランプに陥っていたり、車いすの改良したり、コーチの交代があったり、車いすテニスをするにしても様々な過程がある。〈Side 百花〉ではクールに思えた宝良が苦悩し、自分自身と戦っているのが見えてくるのには作品の厚みを感じた。後半、大会が始まってからの臨場感が素晴らしい。特に一章分まるまる使い描写される世界ランク1位の女王・七條玲との試合は息詰まる迫力。手に汗握る。総じて真っ直ぐな力強い小説で、爽やかな読後感があった。

2020/06/29

みっちゃん

視点を宝良に移してのこちらのsideはさらに読みごたえがあった。終盤のジャパンカップの準決勝の描写は臨場感に溢れていた。「たーちゃん、がんばれ‼️」強い絆で結ばれたひとの大音声の声援が彼女を生き返らせる。試合の結果を安易に終わらせないところも良い。自分を支えてくれるひとたちの笑顔を「見たい自分」の為に。誇りを持って生きたい自分の為に。戦え。どこまでも進んでいけ。「強いって、悩まないことでも、傷つかないことでもないんだと思う。それは、何度でも自分の弱さから立ち上がるってことなんだと思う」忘れたくない言葉だ。

2021/01/07

あきぽん

Side 百花がお仕事小説だったのに対し、こちらは手に汗握るスポーツ小説で、試合シーンの描写は圧巻。もちろん障がい者の苦労についてもきちんと書いてある。東京パラリンピックを機にして書き下ろされた2冊だけど素晴らしい完成度。スラムダンクの著者が描いたパラスポーツ漫画も気になる。

2021/07/12

ゴンゾウ@新潮部

Side百花がとてもよかったのでSide宝良も一気読みでした。健常者でも厳しいアスリートの世界で障害を抱えて競技を続ける宝良と彼女を支える百花や周囲の人々達に素直に感動しました。そして終盤の七條さんとの決戦には感極まりました。【ナツイチ 2020】

2020/12/31

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