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大江戸あにまる (集英社文庫)

大江戸あにまる (集英社文庫)

大江戸あにまる (集英社文庫)

作家
山本幸久
出版社
集英社
発売日
2022-09-16
ISBN
9784087444360
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大江戸あにまる (集英社文庫) / 感想・レビュー

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タイ子

石樽藩江戸留守居役・幸之進が物語の主人公となり、奇妙な縁と巡り合わせの人々との交流を描いた物語。幸之進の人の良さがほっこりとさせてくれる。登場人物の皆が善人ばかりなので気持ちがいい。この時代には珍しいラクダ、豆鹿、羊、ワニ、オラウータンが登場するので、怖いやら可愛いやらムツゴロウさんならどうする?とふと思う。対峙するのが、お殿様の正室だったり、勝麟太郎(海舟)、国定忠治、島津斉彬など有名人がズラリ。鳥居耀蔵まで悪人になりきってないし。ドタバタ喜劇かと思いきや、動物VS.人間の生をしっかり感じさせてくれる。

2023/04/09

紫 綺

「私はどうしてここにいるのだろう」。江戸時代、異国から連れ来られた動物たち。さえない石樽藩士・木暮幸之進は、どういう訳かその動物騒動に巻き込まれてしまう。全ての動植物を愛する福助や破天荒な藩主の奥方・小桜と伴に、あにまる達を助け、ひいては人も助けてしまう痛快時代小説!

2022/11/01

エドワード

山本幸久さん、まさかの時代劇!時代は天保、北陸の小藩、石樽藩当主の次男・喜平丸が、お供の小暮幸之進と乾福助と噂の駱駝を見に行く!異国の動物をめぐる群像劇、個性際立つ人物たち、綿密な調査が見事に融合している。ウソもあるよ。豆鹿、羊、山鮫(ワニ)、猩々(オランウータン)が飛び出し、捕物も見物だ。話に絡んでくる島津又三郎、鳥居忠耀、勝麟太郎たち。科学知識がなく、動物と妖怪の区別のつかない時代、的確な判断が出来る頭脳が幕末を乗り切る原動力だ。終章の後日談の、幕末の偉人たちによる一連の事件の回想が実に上手いね。

2023/02/08

horihori【レビューがたまって追っつかない】

お仕事小説がおもしろい山本さんの新作は、意外な時代小説。石樽藩の小暮幸之進は剣術は苦手だが、お人好しで絵がうまい。昔は、殿のお伽役をしていたが、今は江戸留守居役の下で働く。ある日、草花や獣に目がない乾福助という変わり者が国許からやってくる。同じ頃、異国のラクダに、豆鹿に、羊、ワニに、オラウータンが江戸に出没する事件が勃発。幸之進と福助は、男勝りの藩主の妻・小桜と一緒に巻き込まれる大騒動。石樽藩は、テンジクかぁ。曽孫の小桜ちゃんの感性が素敵な締めだった。

2022/11/30

b☆h

久しぶりの山本幸久さん。北大路公子さんの解説の出だし『パレードのよう』は、言い得て妙だ。タイトル通りたくさんのあにまるが出てくるが、主役はやはり人間。どこか頼りなく地味、でも困ってる人をほっておけないお人好しな幸之進に、いつのまにか好感を持ってしまう。奥方であるのに、自由奔放な小桜の存在も良い刺激になっている。クスッと笑えたり、肩の力を抜いて楽しめる一冊だった。

2023/11/09

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