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A3 下 (集英社文庫)

A3 下 (集英社文庫)

A3 下 (集英社文庫)

作家
森達也
出版社
集英社
発売日
2012-12-14
ISBN
9784087450163
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A3 下 (集英社文庫) / 感想・レビュー

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さつき

読めば読むほど謎が深まり全体像を掴むことも難しかったです。地下鉄サリン事件から20年以上が経ちましたが、事件の真相が解き明かされることは、もう、ないんでしょうね。

2017/09/15

秋 眉雄

司法は粛々と自らのスタンスで事を進める。メディアは手にした情報を選別して世間に流す。一般庶民は、目に入る耳に届く範囲の情報を得る。上巻の感想では森達也がこの本で書きたいことは『どう見てもマトモじゃない麻原をこのまま死刑にしてしまって良いのか』ただ一つだと書きました。もう少し大きくとらえ直すとすれば、森さんは司法の出鱈目さや、踊らされているかのように感情的な一般人をどうこう言っているのではなくて、やはり他の著作同様この本でもある意味メディアに対しての圧倒的な絶望を表明しているんだと思います。

2018/01/06

佐藤嘉洋

オウム裁判『A3』の下巻。非常に重たい内容の本ではあったが読み切った。なぜなら、著者が「この本を読んでほしい」と、以前読んだ本に書いていたから。この人は信用できる、と個人的には思っている。人が踏み込みたがらないところ、見たくないところに光を当てて、うわべの情報に操られている私に何かを示してくれる。「麻原なんて凶悪犯は、一刻も早く死ねばいいのに」世間の人がそう思う中に私もいた。でも、わかったことがある。凶悪犯だからといって、特例に次ぐ特例で、死刑を早めることは非常に恐ろしいことなのだと。

2015/11/06

sabosashi

オウム真理教を解くには、ふたつのテーマがからんでくるにちがいない。  ひとつは山師ともいえる麻原が取り込んでいた力とは何だったのか。  しばしばメシア感覚と独占慾とは結びついてしまう。  麻原は目が不自由だったからこそ、見えないものを取り込む力があったのかもしらず、さらには、じつは麻原は水俣病の患者ではなかったのか、という話が出てきて、それが実証されれば、これまた歴史が変わってしまいそうだ。  とにかく麻原はつかみきれない人物像を秘めているようで、まるっきり山師と呼ぶこともできないのかもしれない。

2019/05/21

梟をめぐる読書

オウムの周辺事情ばかりでなく、サリン撒布事件の前後で一変してしまった日本の社会状況にも深く踏み込んだ、渾身のルポタージュ。精神を崩壊させ、明らかに訴訟能力を失った被告(麻原彰晃)を前に粛々と進行する裁判、その異様さ、異常さ。本書は、いわば全ての章がこの〝不在の中心〟と化した麻原彰晃という人物の周縁を巡るように配置されており、それらをひとつひとつ丁寧に辿ることによって、はじめて「教祖」としての彼の姿が浮き彫りになる。かつてオウムに興味をもち、やがて忘れてしまったすべての人に読んで欲しい一作。

2013/09/23

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