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仮面の告白 (新潮文庫)

仮面の告白 (新潮文庫)

仮面の告白 (新潮文庫)

作家
三島由紀夫
出版社
新潮社
発売日
2020-10-28
ISBN
9784101050409
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三島由紀夫とは何者だったのか。絶対に外せない三島作品【5選】

 三島由紀夫に対して、かたい、難解、右翼思想…などといった印象を強く持ってしまい、なかなか手をつけられないでいる人も多いと聞く。確かにその文体はかたく、これでもかと煮詰められた思想が随所にちりばめられており、はじめのうちは読むのに苦労するかもしれない。

 筆者はそんな皆様に、「肩の力を抜いて読む」ことをおすすめしたい。そうすると、三島由紀夫という人間が身近な存在に、そしていつしか、心の拠り所のように感じられることだろう。しかしやはり、どれほど読み慣れたといっても、その文章が精緻な宝石の流れる川のように美しいことにはひたすら圧倒されるばかりである。

 本稿では三島由紀夫の名作の中から、読みやすいもの、外せないもの5作をご紹介したい。

■美しい言葉で紡ぐ、若い男女の恋愛物語――『潮騒』

『潮騒(新潮文庫)』(三島由紀夫/新潮社)

『潮騒』は、離島で漁師をする青年と、海女の少女の恋愛をロマンティックかつ繊細に描いた物語。若い2人のピュアな恋心、そしてそれを描写する三島の文章に魅了される読者が多い。

 また、かつて人気を博した朝の連続テレビ小説「あまちゃん」(NHK…

2019/2/3

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仮面の告白 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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NICKNAME

久々の三島作品。彼の告白自伝的作品であり、彼はこの作品で彼らしく若い頃から非常に敏感で、博識で、考えに考え込む青年であったことがわかる。また同性愛的傾向も告白しているのだと思う。三島氏没後妻が彼の同姓愛的傾向を否定しているが、それには非常に無理があると思う。彼の死に対するオブセッションも単に戦時中の影響ではなく元々持つ特殊な何かであったのは明らかで、この時からあのような壮絶な自殺劇を先々演じることも予感させる作品である。三島自身生きるということの喜びというよりも、精神的な苦悩の方が多かったのだろう。

2022/10/01

踊る猫

優秀な頭脳が生み出す明晰な思考が唸る。そこから立ち上がるのは、理論によってついに捕まえられない恋という感情に振り回され、欲望に我を忘れてしまう悲しき人間の姿だ。同性愛的な恋、あるいは異性愛としての愛。両方が(どこかチグハグに)語られて、そうした思い通りにならない感情にコントロールされてしまう男の生態がコミカルとも言える筆致でつづられる。シリアスな作品ではあるのだけれど、同時に彼の真面目すぎる姿がおかしみを誘うという意味では三島が書いた一世一代のコメディとも言えるのかも知れない。実に切実で、そして微笑ましい

2023/05/20

松本直哉

その自伝的要素、少年への同性愛の主題、戦争が暗い影を落とす点など、数年遅れて出た福永武彦『草の花』と似ているが、違いは哲学的・プラトン的な福永に対して審美的・ディオニュソス的な三島と言えようか。特定の少年との魂の合一を希求する福永と違って、本書の私の性的対象は気まぐれに移り、彼らの内面には立ち入らず、ただその美しい肉体を賛美し、それが傷つき血を流すさまを夢見る。聖セバスチャンの殉教の絵と懸垂の少年をダブらせるところは、ルネサンスの絵に描かれた女性と憧れの女性を重ねるプルーストにも似ている。

2023/01/25

わむう

中村文則氏の解説「ある性の形を見事に文学に昇華」にものすごく納得。

2022/11/22

ベンアル

三島由紀夫の初の長編作品。1949年、著者が24歳の時に書いた作品。少年時代から社会人1年目までの自分の性癖を解像度高く記載してあり、表現力が凄い。今後の三島の人生や作品を知ると、敗戦、割腹自殺、ゲイなど三島の考え方を感じることができる。三島作品を一通り読み終えた後にもう一回読みたい。

2024/01/03

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