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春の雪 (新潮文庫)

春の雪 (新潮文庫)

春の雪 (新潮文庫)

作家
三島由紀夫
出版社
新潮社
発売日
2020-10-28
ISBN
9784101050492
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三島由紀夫とは何者だったのか。絶対に外せない三島作品【5選】

 三島由紀夫に対して、かたい、難解、右翼思想…などといった印象を強く持ってしまい、なかなか手をつけられないでいる人も多いと聞く。確かにその文体はかたく、これでもかと煮詰められた思想が随所にちりばめられており、はじめのうちは読むのに苦労するかもしれない。

 筆者はそんな皆様に、「肩の力を抜いて読む」ことをおすすめしたい。そうすると、三島由紀夫という人間が身近な存在に、そしていつしか、心の拠り所のように感じられることだろう。しかしやはり、どれほど読み慣れたといっても、その文章が精緻な宝石の流れる川のように美しいことにはひたすら圧倒されるばかりである。

 本稿では三島由紀夫の名作の中から、読みやすいもの、外せないもの5作をご紹介したい。

■美しい言葉で紡ぐ、若い男女の恋愛物語――『潮騒』

『潮騒(新潮文庫)』(三島由紀夫/新潮社)

『潮騒』は、離島で漁師をする青年と、海女の少女の恋愛をロマンティックかつ繊細に描いた物語。若い2人のピュアな恋心、そしてそれを描写する三島の文章に魅了される読者が多い。

 また、かつて人気を博した朝の連続テレビ小説「あまちゃん」(NHK…

2019/2/3

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春の雪 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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レアル

『春の海』に月修寺という寺が登場するが、実は奈良の円照寺をモデルにして書かれているとの事で、ただその繋がりのみの興味で読んでみる事に!私自身、大正時代の縁談やそのしきたり等に疎いためか、文章は読めてもその内容の理解が追い付かず読むのに時間がかかった。こちら一言でいうと侯爵家の嫡子である松枝清顕と伯爵家令嬢の綾倉聡子の恋の物語。普通に結ばれれば良いものを、捻くれ、悲恋に燃え上がる事を好む清顕。それに振り回される聡子。悲しすぎる。否、その悲しく激しすぎるほどの恋物語の行く末を三島は描きたかったのだろう。

2022/10/04

Y2K☮

聡子の清顕への恋はピュアでシンプル。だが清顕の聡子への恋は禁忌を破ることへのそれが第一義だったのかもしれない(好きだったのなら結婚できたわけだし)。ただ最初の入り口はそうだったとしても、自尊心で押し殺していた想いに嘘はなかった気もする。だからこその終盤。題に込められた意味を考えると胸が苦しくなるし、雪の日のエピソードを思い出して涙腺が緩む。華族のきらびやかな日常を絢爛な文体で生々しく描けば描くほど、見栄や建前や世間体がすべてな偽善性が際立つ。ここに三島の意図を感じた。第二部は英雄的な行動小説らしい。近々。

2023/06/07

NICKNAME

4部作豊饒の海の1作目了読。これらの4作は不思議な形で繋がっている物であり、すべてを読むには長い読書になりそうだ。この作品の主人公は華族に生まれ何事にも非常に恵まれ過ぎていて、ある意味腐っているのではないかという感じで読みながら、主人公に対しては怒りを覚えるのですが、最終末の方に行くと哀れみを感じてしまうのです。2部の作品は既に入手しているので早速読みたいです。

2021/12/10

ともっこ

お正月から読み始め、三島由紀夫の生誕日の1月14日に読み終わることができた。 高貴な世界で繰り広げられる、激しく燃え上がる禁忌の恋。 輪廻転生など仏教色が強く、かなり挑戦的な問題作であると感じた。 三島は『豊饒の海』を最期のライフワークとしたらしいが、輪廻転生という観念を信じたい気持ちがあったのだろうか、などと考えた。

2023/01/14

こうすけ

長らく読まなきゃと思いつつ放ってきた本作。平野啓一郎の三島評を聞いて読みたくなり、購入。読みはじめは眠くて失神しかけたけど、話が進むにつれてどんどん面白くなっていった。第一部は許されざる恋物語。いくらなんでも皇族の婚約者はタブーだ。清顕の祖母や門跡のキャラクターがよい。第二部はどんな物語になるのだろうか。

2024/03/16

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