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戊辰繚乱 (新潮文庫 あ 86-1)

戊辰繚乱 (新潮文庫 あ 86-1)

戊辰繚乱 (新潮文庫 あ 86-1)

作家
天野純希
出版社
新潮社
発売日
2015-11-28
ISBN
9784101203317
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戊辰繚乱 (新潮文庫 あ 86-1) / 感想・レビュー

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yoshida

会津藩士の山浦鉄四郎は江戸に遊学するも己れの道を見つけられず。会津藩士の娘・中野竹子や、試衛館との出会いが鉄四郎を変える。京都守護職を引き受けた会津藩は上洛。鉄四郎も上洛し、藩命で試衛館を母体とする新撰組へ加入する。攘夷か開国か、時代が人々を翻弄する。孝明天皇の突然の崩御により時代は薩長へ味方し、旧幕府勢力は追い詰められる。郷土の為、愛する人々の為に鉄四郎や竹子は戦う。会津藩に対する明治新政府の復讐。時代の流れは平穏な生活を送る人々を容赦なく巻き込む。そこに立ち向かい生き抜く事の大切さを教えてくれる名作。

2016/01/10

巨峰

沢山の明日ある人たちが非業の死を遂げた幕末動乱。彼らに哀惜の念を覚えてしまうのは、やはり現代と近くて相通じる感覚があるからだろうか。まるで彼らの墓碑銘のようだ。この小説は会津藩士で新撰組にも所属した山浦鉄四郎と娘子隊中野竹子の淡い恋を中心にすえて話が進む。中盤から後半にかけて魂を震わす場面が続出する。幕末大河小説と呼ぶにふさわしい。

2015/12/02

優希

読んでいて震えずにはいられませんでした。会津藩士ながらも会津の心意気に馴染めず、天下国家を論じず、平穏な日々を過ごしていた鉄四郎。そんな中で出会った中野竹子と互いに思い合いながら新選組に内隊し、刀を振るう日々。全ては武子のためだったように思えます。1人の女性を懸命に愛する姿に魂が震えました。

2021/10/26

Die-Go

図書館本。会津藩士山岡鉄四郎と会津の娘子隊士中野竹子を主軸において、戊辰戦争を描く。最初は軽い乗りで書かれていてなんだかなぁと思いながら読んでいたが、途中からの急な舵取りが一気に作品を重いものに変えていく。★★★☆☆

2020/11/30

り こ む ん

時世が人を変えてゆく。望洋とした主人公が、幕末の時代の激変を迎え変貌してゆく。戸惑いが消え、だんだんと心が冷たく強くなっていく。それは、人の強さでなく、獣の強さ。どの戦(戦争)モノでもそこは変わらない。そうなってしまう。ならなければ…正気ではいられない世界なのだろう。頭は思考し続ける。でも、そこには心は無い。では、なぜ戦うのか?人としての一筋の光を守るため。人に戻る為の光を見失わない為、人は戦う。愛する人、家族、国。この作品は、戊辰を通してそんなことを教えてくれる。

2016/11/13

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