義民が駆ける (新潮文庫 ふ 11-29)
義民が駆ける (新潮文庫 ふ 11-29) / 感想・レビュー
のほほん
荘内藩に国替え命令が下りました。調べてみると賄賂がらみの策謀が臭います。これに一縷の望みをかけて物語が始まります。藩主は陳情を考えます。農民たちは今と新しい藩主とどちらがよいか考えます。答えが出ると、智恵者が策をねり、金主が金を用意し、指導者が農民たちを説いて、行動開始です。密かに着々と成果を積み重ねていきます。苦労の末、幕府に前例のない沙汰直りを勝ち取りました。農民たちは歓喜し、藩主も一安心です。農民たちの目的達成のための努力がすごいです。でも、一番すごいと思ったのはこれが史実だということです。
2023/07/05
coldsurgeon
江戸後期、三方国替えという天封が引き起こした農民たちを巻き込んだ騒動が描かれた物語。庄内藩酒井家という明治維新まで長い期間領有した武家と、庄内藩の農民とが、大きな渦を起こして、国替えを阻止しようとする姿は、心を突き動かす。そこには主人公は一人ではなく、登場人物ひとりひとりが役割ではなく人として描かれているから、読みごたえが増す気がする。
2023/05/07
ばるたん
史実に基づき、当時の武士や百姓のそれぞれの思惑が出てとても面白い。たいへん貴重な歴史書のひとつと思える。
2024/03/26
chuji
久喜市立中央図書館の本。2023年4月初版。昭和五十一年九月中央公論新社より刊行され昭和五十五年中公文庫に収録、平成十年九月に講談社文庫に収録された。本書は中公文庫を底本としている。天保義民事件譚。(1840年 出羽国庄内藩主 酒井忠器らに出された三方領地替えに対して、庄内藩の領民が反対運動を展開した事件。「百姓といえども二君に仕えず」が合言葉。)
2023/06/27
ナイさん
いい!面白い
2024/01/18
感想・レビューをもっと見る