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母性 (新潮文庫)

母性 (新潮文庫)

母性 (新潮文庫)

作家
湊かなえ
出版社
新潮社
発売日
2015-06-26
ISBN
9784101267715
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「母性 (新潮文庫)」のおすすめレビュー

戸田恵梨香×永野芽郁主演で映画化! 湊かなえ『母性』が描く“母と娘”そしてその愛

『母性』(湊かなえ/新潮社)

 ドラマ『ハコヅメ~たたかう!交番女子~』で息の合ったバディとして活躍した戸田恵梨香さんと永野芽郁さん。ふたりが母娘として再共演することで注目を集めているのが、11月に公開される映画『母性』です。原作は湊かなえさんの同名小説『母性』(新潮社)。母と娘それぞれの立場から、美しかった家庭がある出来事をきっかけに崩壊していく過程が描かれます。

 本作は、「女子高生が自宅の中庭で倒れている」という事件が起きたところからスタート。「母性について」という新聞記事を読んで事件に興味をもった教師の視点、母の手記、娘の回想、3本のルートで物語は進行していきます。母親から愛されて育ち、生まれてきた娘にその愛を十分に注いでいると自負する“母”。彼女の手記から浮かび上がる、夫との出会いから母とともに娘を育てる毎日はまるで絵画のように美しく、あたたかく照らされています。そしてその日々は“娘”の回想の中でも、“ほぼ同じように”美しくあたたかいものとして記憶されています。しかしその生活はとあるきっかけで一変。以降“母”と“娘”の見えているものはどんど…

2022/7/2

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母性 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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さてさて

“母性は全ての母親に等しく備わっている”、この思い込みが無意識のうちに世の母親と子どもの両方を苦しめているという現実。まさかの『母性』という作品名、その深く掘り下げられる内容に強い衝撃を受けたこの作品。人間も一つの生物、動物にすぎない。それが故に『本能』という生まれ持った性質には決して逆らえない。でも人間だから、そのこと自体を考え、思いを巡らせることにもなります。人間ってなんと辛い生き物なのだろうと思うと共にそれでも人間だから、人間ならではの見方、考え方ができるはず。色々な事に思いを巡らされた作品でした。

2021/03/14

ポプラ@むいちゃんとペア画中🌴🌨️

読み始めからスッと引き込まれる様に深くこの作品の世界に誘ってくれます。母と娘、2人の視点が食い違う様が、あ~この人の立場なら、こう考えるよね~と妙に納得させられると同時に、私達現実社会でも同様に、いろんな人それぞれ違う立場から違う視点、考え方があるのだなと改めて考えさせられました。イヤミスの女王の湊さんだけあって、この作品でも読んでての気分の悪さは健在なのですが、でも、もっと読み進めたい!とページを括る手を止められませんでした。秋には映画化です。戸田恵梨香さん永野芽郁さん主演。楽しみに待ちたいです。

2022/07/13

母娘それぞれの立場から語られる人生が食い違い、逆の思いが互いに芽生える。清佳側の視点が何となく本当っぽいけれど、ルミ子のお母さん(清佳のおばあちゃん)が凄すぎて、本当ならお母さん以上に我が子に愛情を与えてあげるところを自分の娘でさえ母以上には愛せないルミ子の気持ちはちょっとわかります。なるほど…と理解したつもりで読み進めると最後になってあれ!?冒頭ニュース記事と違う??何故?となり、皆さんの感想を読んでやっと自分が完全に騙されながら読んでいたことを知りました。解説の通り二人共信用ならない語り手だったな。

2022/07/01

bunmei

現代社会に潜む家族の陰の部分に焦点を当てた湊かなえらしい一冊。母と娘、そして祖母の立場でそれぞれが思う家族愛のすれ違いによってひき起こされたミステリー。冒頭、1人の女生徒が中庭で倒れてる所から始まります。母は「愛能う限り大切に育ててきた」と言葉を詰まらせる。果たして事故か自殺か…❓時は11年前の台風の夜に遡り、母の手記と娘の回想によって物語は展開します。11年前に起きた土石流によって祖母を失い、幸せだった家庭に思ってもいない方向からヒビが入りだす。そして、最初の娘が倒れていた原因が明らかに…。

2015/08/25

NADIA

主観というものはこんなにも隔たっているのだなと改めて感じた一冊。同じ瞬間、同じ経験も語り手が変わると全く違ったストーリーになる。この母娘は極端だが。登場人物の誰もが不幸な実に湊さんらしいイヤミス。あ、りっちゃんは幸せなのかな。幸せだといいな。物語中盤に登場する男の子にとてもムカついた(さすがイヤミス)。夜行観覧車といい、子供だからといって湊さんは容赦ない(^^;

2016/11/26

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