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湖の女たち (新潮文庫 よ 27-8)

湖の女たち (新潮文庫 よ 27-8)

湖の女たち (新潮文庫 よ 27-8)

作家
吉田修一
出版社
新潮社
発売日
2023-07-28
ISBN
9784101287591
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「湖の女たち (新潮文庫 よ 27-8)」のおすすめレビュー

福士蒼汰×松本まりかで映画化。ある介護療養施設で百歳の男が殺される事件から始まる、琵琶湖が舞台のミステリー小説

『湖の女たち』(吉田修一/新潮文庫)

『悪人』『怒り』など、これまでも作品が多く映画化されている吉田修一氏の2020年の作品『湖の女たち』(新潮文庫)が映画化され、2024年初夏に公開が決定しています。福士蒼汰・松本まりかが主演で、2023年11月現在は約30秒の特報のみがアップされている本作の原作をご紹介します。

 舞台は琵琶湖周辺。ある介護療養施設で、百歳の男が殺される。子どもがうまれたばかりの刑事・濱中は、捜査を進める中で介護士・佳代と出会い、急速に仲を深めていく。その事件を取材する記者・池田は、事件で死亡した男の人生をひもとくためにハルビン(旧満州の中心都市)を訪ねる……

 題名にある通り、本作では湖が重要なモチーフになっています。湖には、海のような波がありません。もちろん、風が強いときには湖面も揺れますが、湖面がしんとしていて鏡のようになるときもあります。そこに魚が跳ねたり石を投げ入れたりすると、音や波紋はとても目立ちます。

 そんな湖というモチーフ、しかも日本最大の湖である琵琶湖のまわりで起こる出来事から、現代の日本社会だけではなく過去から連…

2023/12/14

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 肝試しというのは、一般的に夏の風物詩として知られています。おそらく怖くて「ヒヤッとする」からではないでしょうか。実際、「怖」という漢字の左側は「心」、右側は恐怖を感じたときの音を表現しているそうです。しかし、冬のアイスがおいしく感じる人もいるように、年末年始に怖い本や映画を鑑賞されたい方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、本記事では2023年に映像化が決まった作品を3作、音の表現も加えてご紹介できればと思います。

まとめ記事の目次 ●スイート・マイホーム ●湖の女たち ●禁じられた遊び

●ヒヤッとするけど、ホッともする『スイート・マイホーム』

『スイート・マイホーム』(神津凛子/講談社)

 2018年に小説現代長編新人賞を受賞した作品。映画は齊藤工が監督、窪田正孝が主演。

 舞台は冬の長野。スポーツインストラクターの賢二は、妻と2人の小さな娘のサチ・ユキとアパートで一緒に暮らしてきた。ある日賢二は、一念発起して、一台のエアコンで家中を暖められるという「まほうの家」を購入する。そして、賢二自身が忘れたままにしておきたかったこと、隠しておきたかった…

2024/1/4

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湖の女たち (新潮文庫 よ 27-8) / 感想・レビュー

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yoshida

琵琶湖畔の介護福祉施設で起きた不審死。誰かが人工呼吸機を止めた。介護施設で働く佳代は西湖署の圭介に徐々に依存支配される。雑誌記者の池田は薬害事件を追ううちに、介護施設の不審死事件との繋がりに気付く。731部隊から薬害エイズ事件、滋賀呼吸機事件等をモチーフとする。また、犯人の動機には津久井やまゆり荘事件が用いられる。様々な物語の展開が期待されるが、大きな広がりは見せない。長編としても良かったか。やや残念でもある。圭介と佳代の共依存は現実感が乏しいか。個人的には共感性が薄い。もう少し話を膨らませても良かった。

2023/08/26

ケンイチミズバ

刑事も記者も組織の中の一人にすぎない。大きな力に抗えない無念。核心の一歩手前で捜査は中止、記事は差し止め、よくある物語。その頃若かった刑事は号泣した。そして今また情報をリークした記者に出会いお互いの思いが同じであることを知る。が、しかし。731の関係者、介護施設の老人は生産性のない人間で死んでもいいと思う若い世代、ストーリーの核には触れられないのでここまで。私の部下がコンプライアンス窓口に不祥事の証拠を持ち込んだことがあるが見事に正義感も若さも無視された。大事(おおごと)にしたくない。の一言だったらしい。

2023/08/10

じいじ

これ途中下車します。何故なのか?、どうしてなのか? ひと言で説明できません。大好きな吉田修一の小説なので、体勢を立て直して「再挑戦」することにします。

2023/12/19

yukaring

ダークでエロティック、そしてやるせない思いが心に重くのし掛かる物語。介護施設で暮らす100才の寝たきりの男性が殺される。誰が何のために?犯人捜しに迷走し容疑者へ自白を強要する刑事たちと言われのない疑いをかけられた女性の苦しみ。死んだ男性を調べる記者が辿りついたのは旧満州での胸が悪くなるような人体実験の事実。湖の畔で抑圧された刑事とインモラルな関係を続ける女性。湖に集まる男たち女たちは背徳的で自滅的だが活き活きとしている。道を外れ限界まで来てしまった彼らのいく先は・・。人間の業の深さを考えさせられる1冊。

2023/08/25

H!deking

先日映画のトレイラー観たので読んでみました。いやーめちゃくちゃ面白かったです。なんか凄いお話でした。これどこまで映像化するんだろ。松本まりかちゃんが全裸で正座とかするんだろうか笑。それはさて置き、警察の取り調べでのくだりとかなかなかモヤモヤします。からの驚愕のラスト。映画楽しみ!

2024/04/13

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