禁猟区 (新潮文庫)
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禁猟区 (新潮文庫) / 感想・レビュー
ケイ
文庫にて再読。警察官が、ふと道を誤ってしまったら…。そんな警察官を調べる監察。中年~老年の警察官が、仕事にも疲れ、家庭にも暖かみを見いだせなくなったときにハマる罠。汚職、証拠捏造、ストーカー行為…。犯罪者となってしまう警察官がフラフラとそちらに迷い込んでしまう気持ちと、監察に見つかった時の動揺がよく描かれている。再読なのに、読んでいてドキドキした。
2015/01/20
taiko
警察庁の監察を行う部署に務める婦警沼尻いくみと、監察対象になった警察官たち。…詐欺を働き手に入れたお金をホストに使った若山。息子の病を直した自然食品を、暴力団に教えた結果、暴力団の悪事に手を貸すことになってしまった風祭。時効間近の事件を追いながら、警察内部の秘密情報をマスコミに流していた小池。ストーカーに追われる沼尻と、沼尻の元交際相手内野。実際にあっては困るけど、ありそうと思わされる話ばかり。警察官も人間ですから、欲に流されることはあるとは思いますが、悪を正す番人である自覚を持って欲しいと願います。
2020/03/11
yomineko@猫と共に生きる
流石、乃南アサさん!面白かったです。最後が特に、ドキドキしました。さらっと読めますよ!
2020/11/25
金吾
監察という仕事は身内を疑うという仕事であるということを知りました。これは心理的に大変きつい仕事だと感じました。また警察官といえども欲望には弱いと思いますので、話のアプローチは良かったです。監察の部分が濃ければより面白いのではないかと思いました。
2021/10/18
めぐ
犯罪を犯している警察官の捜査をする女性監察官が主人公。と言っても、詐欺や地方公務員違反、収賄などで、小説の中で銃撃戦が始まるというような激しい展開はない。もともと大した悪人ではないのに、警察官としての道から外れてしまう過程が淡々と書かれている。深みにはまっていくなかで、自分が罪を犯しているのは自覚しているのだろうと思うのだけれど、もとの道に引き戻ることがなく自ら落ちて行ってしまう。すっきりする材料がなくもやもやした気持ちになるけれども、主人公の沼尻いくみが素直な明るい性格なので、それが救いだった。
2017/04/19
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