KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

空が分裂する (新潮文庫nex)

空が分裂する (新潮文庫nex)

空が分裂する (新潮文庫nex)

作家
最果タヒ
押見修造
出版社
新潮社
発売日
2015-08-28
ISBN
9784101800462
amazonで購入する

ジャンル

空が分裂する (新潮文庫nex) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

ヴェネツィア

萩尾望都や小林系等の漫画家やイラストレーター21人とのコラボレーションによって成った作品。散文詩集だともいえるし、またなんとなく書き溜めた雑文集だと言ってしまうこともできる。篇中の「14才の科学進化説」などの言葉の運びは西脇を想わせたりもするのだが、それも巧んでのことではないだろう。最果タヒが、ごく自然体でブログの如く綴っていった結果がこれらの作品群なのだろうと思う。

2023/06/04

お昼寝猫

最果タヒさんの詩集で20名の有名漫画家やイラストレーターとのコラボ企画。SF的世界観を持った作品が多く散文的味わいもあるが、基本は詩なので一行一行の刺さり具合が凄くて気が抜けない。小説やエッセイとは別物だ。理解させようとするのではなく、本質をいきなり突きつけてくるような鋭さがある。コラボのイラストが美しいので、できればカラー版で出して欲しかった。ジャケットデザインは凄くいいと思う。作品を味わったら、あとがきまできちんと読んだ方がいい。

2024/02/29

佐島楓

散文詩とイラスト、しかも文庫という変わった作品。つづられる言葉たちは、どこか直視できない痛みをあらわにしている。詩という表現方法の可能性を見せていただいた。

2015/11/01

メルト

感情は一人一人微妙な違いがあるはずなのに、表現するとなると「好き」「嫌い」などと単純化されてしまい、その違いは無いものにされてしまう。そのようになるまいと、最果さんなりの言葉で表現された心情がとても伝わってくる詩集でした。その詩をちゃんと感じ取ることができたかは分からないけど、印象に強く残った言葉や、素敵だなと思った詩が多くあったので、また再読したいと思いました。自分なりの言葉や、感情を大切にしたいです。

2017/11/23

tenori

最果タヒさんの詩は、錆びついた感性の受信度を上げたいときに読みたい。読み手の理解を拒むような孤独や孤立を強く感じるのは、彼女が作品に対しての共感を求めていないから。『感情が美しく見えるのは「誰にもわからない」時だ』とあとがきで語っているとおり、そこにあるものは、誰にもわからない感情の断片なのだろう。「みんなと同じ」は安心かもしれないけれど、そこからは新しい何かは生まれない。はみ出すことへの勇気を与えてくれる独特の世界観は、時に意味不明であっても意外にも心に刺さる。

2020/04/09

感想・レビューをもっと見る