KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

終わらない原発事故と「日本病」

終わらない原発事故と「日本病」

終わらない原発事故と「日本病」

作家
柳田邦男
出版社
新潮社
発売日
2013-12-18
ISBN
9784103223221
amazonで購入する

終わらない原発事故と「日本病」 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

007

★★★☆☆ わが国の問題点をわかりやすく指摘している。過去に起きた色々な事件事故が思い出される。被害者数は少なくても重大な過失事故もあった。行政側、企業側の危機意識の欠落と自己保身を、著者は「安全文化の日本病」としている。かなり重症だ。

2014/02/09

壱萬弐仟縁

健康被害は、数年後とか20~30年後という不気味さ(13頁)。昨今の東京都知事選挙の争点暈しで平和ボケしてしまった人もいるのかもしれない。まだ収束には程遠い。「死者は一人もいない」という欺瞞(30頁~)。理由はわからないが、吉田所長もお亡くなりになった。作業員も亡くなった人がいる。再稼働問題(41頁~)。都知事選が終わり、この問題からは避けて通れない。住民のいのちと地域の安全(同頁)が担保されないので拙速となる。除染と生活再建(46頁)が被災者から声高に聞こえてくる。聞こえないふりをしてはいけない。

2014/02/11

himawa

本当に考えさせられた。福島の原発事故はまだ実態がわかっていないのに他の原発を稼働させるって...。「自分や家族がそこに住み被害を受ける立場になったら」という視点が政治家にはない、「被害の全体像を調査しようとする発想が、この国の政府にはない」に絶句...。「かつては政府に代わって災害の全体像を記録し、教訓を後世に伝えようとする文化があった」って。「文化」を発信し続けるってどうやって?JR北海道(利用してる)含め、闇に沈めてはならない事故がこれからも起こるのだろうかって思ったら胸が痛くなった。メメント3.11

2014/03/12

fujisan

続発する災害・事故は業種が違うが根底に潜む問題は地下でつながっているように共通の問題点や教訓があることがわかる。企業は事故が起きると都合の悪いことは隠したがり、被害者のことよりも自社のメンツを第一に考え線引きをする。事故発生後は自己責任を明確にして原因の究明や再発防止策と被害者の補償を考えるべきである。原発事故は終わっていないがこのように対処してもらいたいと思った。

2014/08/14

水彩

柳田邦男さんの本は、20年以上も前父が死んだときに『死の医学~』シリーズを読んだ。冷静で鋭いルポルタージュだった。そして、震災や原発の問題に取り組むべく、原発事故の調査・検証委員会に参加する。昔の淡々とした印象に比べ、静かな怒りが感じられるものだった。これまでの国や企業の事故を教訓とできず、隠蔽することに終始するために、このような大きな事故になっても、国は他人事。被害者の感情はカウントに入れず、国の経済を尊重していくところは、いつまでも変わらないのだろう。

2016/03/15

感想・レビューをもっと見る