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チャンキ

チャンキ

チャンキ

作家
森達也
出版社
新潮社
発売日
2015-10-30
ISBN
9784104662036
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チャンキ / 感想・レビュー

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kiho

近未来の日本…非現実な設定の中に、現実が蠢いているような⭐つかみにくいストーリーながら、チャンキ同様、色んなことを考えさせられた。

2016/06/12

かふ

高校生を主人公にしたのはその年代に読んでもらいたいからだろう。それにしては感覚がちょっと古いよ。女の子の名前に子が付くとか『猿の惑星』のチャールトン・ヘストン(リメイク作があるのに)とか極めつはプロレスラーのリック・フレアーなんて渋すぎる。今生まれた子供が高校生になっている近未来は「タナトス」という自殺衝動が日本を襲う。チャンキの頭の中はエロスが支配する。彼女とセックス出来るのか?それともタナトス(死)が待ち受けているのか?

2016/03/04

バーベナ

日本人だけに発症するタナトスで人口は減り続け、希少動物を保護するかのように見守られる国になった日本。ラストの梨恵子の言葉『楽しいことだけに目を向けないでね。つつしみをもつこと』これはとてもドキリとする。タナトスは快楽で心が満たされてしまったとき、その隙を狙ってやってくる衝動?それが異常発生する地域の話でも、むきだしの快楽が鍵になっているような。衝動的な消滅行動をするのは、生物的にありえるリズムなのかもしれない。タナトスは滅びに向かう病なのか、進化なのか知りたいなぁ。

2016/04/30

田中峰和

2033年の日本は人口減少が進みわずか数千万人になっていた。原因は突然の自殺衝動タナトスの蔓延。かつての繁栄が嘘のようにすべての産業は衰退し、海外からの援助で成り立つ国になっていた。国内に外人はおらず、海外旅行すらできないまるで江戸時代のような世界。18歳の主人公チャンキは、偏差値は高いが考えることは彼女とのセックスのことばかり。いつタナトスが訪れ自殺するかわからない青春は刹那的となり、クラスメイトの中でも童貞はチャンキだけ。チャンキの青春を異常な設定で描きながら、生と性欲、そして死を正面から捉えた力作。

2016/01/07

Tom Num

恋人に愛してると言ったすぐ後に。宝くじで大金を当てた直後に。家族旅行の帰りの高速で。抗う事の出来ない自殺衝動で次々と人が死ぬ。『タナトス』と名付けられたこの現象は日本国籍を持つものだけに発症する。これにより人口は一気に減少。毎日自殺者が多々出る日々。死というものに日本人は慣れていく。外国人は母国へ帰り、日本人は入国を拒否される。産業は停滞し外国からの支援で人々は暮らす。小説のような終末が迫る世界が何故か少し羨ましいと思うのは無い物ねだりかな。因みにチャンキといいのは主人公の名前。抗えチャンキ。

2016/10/27

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