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トマス・ピンチョン全小説 メイスン&ディクスン(上) (Thomas Pynchon Complete Collection)

トマス・ピンチョン全小説 メイスン&ディクスン(上) (Thomas Pynchon Complete Collection)

トマス・ピンチョン全小説 メイスン&ディクスン(上) (Thomas Pynchon Complete Collection)

作家
トマス・ピンチョン
柴田元幸
出版社
新潮社
発売日
2010-06-30
ISBN
9784105372026
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トマス・ピンチョン全小説 メイスン&ディクスン(上) (Thomas Pynchon Complete Collection) / 感想・レビュー

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兎乃

アメリカ独立戦争直前。イギリス国王の勅許状、州境地帯の領有を主張するペンシルヴァニアとメリーランドの両植民地の境界を定めるよう、天文学者のメイソンと測量士のディクソンに依頼が舞い込む。史上名高い境界を定める珍道中。物語は二人が金星の太陽面通過観測で知り合うところから。さすがピンチョン、単純に史実を追うだけですむはずもなく。奇想・妄想の飛び込み・侵入、脱線につぐ脱線。おもしろすぎる登場者たち。この「線」はやがて南部奴隷州と北部自由州を隔てる境界線となり、南北戦争の舞台となる。上下巻の装丁が素晴らしい。

2013/06/10

若布酒まちゃひこ/びんた

再読。殺るか殺やれるかの読書。

2016/12/16

kazi

再読!やっと折り返し地点。文学界のスーパーヘビー級、トマスピンチョンの新大陸冒険小説。いつもの事だが、何もかもが「過剰」な小説です。ページをめくるたびに登場人物が増える増える!登場人物たちが脱線に次ぐ脱線を繰り返し、なんの話だったかが見えなくなる。ボケっと読んでると今誰がどこで何してるんだっけ?って深い森の中に迷い込んでしまいます。ご用心!それでも、本作はピンチョンの著作の中では最もストレスなくスラスラ読めちゃう作品だと思ってますよ、私は。ラスト近辺で、ロマンチックなメカ鴨登場。待ってました!下巻に続く。

2020/05/04

Ecriture

歴史を真贋入り交じるポスト・ノヴェルにのせて謳い上げ、視差の織り込まれた天の啓示を受けた測量線の複数性を描く。イギリス王立協会・東インド会社の影響下で、生きながらにして亡霊となったジェームズ、ケープの住人たちやインディアンを通して、現代へと続く大英帝国の夢を、未だ訪れたことのない(=地図化されたことのない)「可能性のはけ口」としてのアメリカの姿を浮かび上がらせる。パワーズの『囚人のジレンマ』を訳した柴田氏がピンチョンの中でもこの『メイスン~』を選んで訳したのは大いに頷ける話。

2011/08/24

ぐうぐう

結果的に南北を分けることになる境界線を引くために、アメリカ大陸へとやってきたメイスンとディクスン、その歴史的事実も、ピンチョンに掛かれば、まるで煙草の煙で作られたメビウスの輪のように、読者をまさしく煙に巻く珍道中へと化けていく。メイスン同様、数々の奇天烈なエピソードに「ゲゲゲ!」と驚きながら、その驚きにすらも自信が持てないという倒錯。幾重にも張り巡らされたピンチョンの企みは、私達から読書の自信を奪っていくのだ。しかし、それでもなお、ページをめくる指がかろうじて止まらないのは、(つづく)

2010/10/14

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