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誓願

誓願

誓願

作家
マーガレット・アトウッド
鴻巣友季子
出版社
早川書房
発売日
2020-10-01
ISBN
9784152099709
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誓願 / 感想・レビュー

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みあ

『侍女の物語』の続編。ギレアデ共和国の権力を握るリディア、司令官の令嬢アグネス、カナダの古着屋の娘デイジーの三人の視点で前作の15年後の世界が語られる。女性の人権が全く認められない暗い世界で彼女達は人知れず苦しんでいる。その歪さこそアトウッドが描きたかったものであり、ディストピア小説でありながら現代の鏡のような魅力が備わっている。3人のヒロイン達の見る世界は最初は一致点がない。それゆえ複眼的に世界を見れる。そして物語は意外な展開を見せ、そこから彼女達の意外な秘密が明らかになり、最後に光が見える。

2021/02/23

ちゃちゃ

「Tomorrow is another day」物語終盤のリディア小母のつぶやき。危険な道を選び、自らは反逆者として死への道を歩むか。安全な道を選び、自らの支配力をさらに強固にして栄えある道を歩むか。ギレアデ共和国を操る権力者たる彼女の、心の揺らぎが胸に迫る場面だ。「読者よ」と繰り返される呼びかけは、同時に私たちにも選択を迫る。女性の人権を剥奪し歪んだ管理監視による恐怖政治が敷かれる“神政国家”。その欺瞞満ちた社会を崩壊に導く三人の女たちの毅然とした選択。それはまさに、暗闇の光として私たちをも導くのだ。

2021/01/24

buchipanda3

「侍女の物語」の続編。あの世界、再び。前作のじっくりと世界観を模索するように読み進める文学的な味わいとはまた違った面白さを堪能した。エンタメ性が濃くなり、物語の行方を求めて先へ先へと頁が捲れる。今作は3人の女性の視点で語られ、前作では不透明だった部分が見えてきた。歪んだ価値観が形成される社会の仕組み。その中で彼女たちには言い様のない苦しみがもたらされてしまう。立場の違う彼女たちが果たそうとする想いは何か。後書きにもあるがこの結末は時代がそれを求めたのだと思う。そしてこれはまさにシスターフッドな物語だった。

2020/10/07

藤月はな(灯れ松明の火)

陰鬱とさせられた『侍女の物語』から15年後の世界。この本を読んで、これらは耐え忍ぶだけじゃない女性たちの物語だったのだとやっと気づくことになる。武力と安寧を引き換えにした服従による飴と鞭によって成り立つも内側からジュクジュクと腐り落ちていくギレデア。建国当時の共犯意識で結び付く小母達も互いに足を引っ張り合う様は人間の愚かさを見せつけてくる。そしてジェイドとアグネスが邂逅してから互いの文化のギャップ(ジェイドがギレデアの料理の粗末さに文句を言ったり、アグネスがギレデアの制服以外の服に心許なさを感じるなど)

2021/03/28

mii22.

すべてが繋がった。前作『侍女の物語』から15年後のギレアデでは過去の歴史がそうであったように異常な独裁政権は破綻の兆しを見せ始める。前作が自由を奪われ道具とみなされる侍女の目線で語られていたため重苦しく閉塞感が際立っていたが『誓願』では3人の立場も年齢も違った女性の目線で語られ異常な世界の中でも活動的にイキイキ描かれているため前作とは違った作風にも感じられる。しかし2作は見事に繋がり創造されていた。これは作者から未来を造るあなた方はどうあるべきかという問いかけでありメッセージであると強く感じた。

2020/11/27

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