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極夜行

極夜行

極夜行

作家
角幡唯介
出版社
文藝春秋
発売日
2018-02-09
ISBN
9784163907987
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「極夜行」のおすすめレビュー

数ヶ月も太陽のない世界、極限状態で冒険家は何を体感したのか?「Yahoo!ニュース 本屋大賞ノンフィクション本大賞」受賞作『極夜行』

『極夜行』(角幡唯介/文藝春秋)

 この地球上には太陽の出ない昼間が存在し、極地に近づけば近づくほどその期間が長くなるのは、知識としては知っていた。だが、数ヶ月に及ぶ太陽の不在が、人にどのような影響を与えるのかなんてことは考えたこともなかった。

 だから、探検家の角幡唯介が極夜のツンドラ地帯を3ヶ月に及んで旅したノンフィクション小説『極夜行』が彼の妻の出産シーンから始まったことには、正直目を丸くした。時には地獄とも喩えられる真っ白な大地の風景描写が現れるのかと思いきや、分娩室での絶叫が劈頭を飾る1行目だったのだ。

 だが、読み進めるうちにこの不思議な構成が選択された理由がわかってきた。本書は、単なる冒険の報告書ではなかったのである。

極夜には根源的な未知がある。数ヶ月間におよぶ闇の世界、そしてその後に昇る太陽の光など誰にも想像がつかない。私は一度でいいからその想像を絶する根源的未知を経験してみたかった。

 未知への憧れ。それは、間違いなく人類の文明を進化させてきた原動力だ。まだ見ぬものを見たい、知り得ぬものを知りたい。そんな欲求に抗えない気持ちは痛いほど…

2018/11/12

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――お2人はふだん、ウイスキーは飲まれるんですか。

杉江松恋氏(以下、杉江) 好きですね。というのも、僕の父親は北海道の余市生まれなんですよ。ニッカウヰスキーの蒸溜所があるのと同じ場所。見学に行ったこともありますし、実家にはニッカのウイスキーが日常のものとして置かれていました。大人が飲むビール以外のお酒といえばウイスキーというイメージだったから、大学生になって飲むようになると、自分のヒップボトルを買ったくらい。

新井見枝香氏(以下、新井) 私はお酒に縁のない家庭で育ったんですが、高校を卒業したあと、幼なじみが水商売の世界に行きまして。あるとき、出世した彼女が六本木で勤めることになって、お店で水割りを作ってもらったんです。そこで、煌びやかなお店でウイスキーを飲む大人のかっこよさ、みたいなものに触れて以来、憧れのお酒です。ショーパブに行くのが好きな…

2019/5/17

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極夜行 / 感想・レビュー

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starbro

本屋大賞 ノンフィクション本大賞受賞作ということで読みました。角幡 唯介、初読です。極寒の暗闇の世界の冒険行、未知の世界に引摺り込まれました。地下室でも体調は悪くなりますが、極夜とは想像を絶する世界です。著者の経歴をみたら早大冒険部(探検部)OBでした。http://wasedatanken.com/ https://japanlocal358.com/waseda-tanken-kamchatka/#toc1 著者の他の作品も読んでみたいと思います。 私は無神論者ですが、信仰するとしたら太陽神ラーです。

2019/01/16

鉄之助

自分も、本当の太陽を見ていない、と思った。北極圏に近い高緯度の真の闇「極夜の極夜」を体験はできないが、想像はできた。また、太陽が存在しない環境では、「極夜病」という病があることも知って驚き。太陽のかけがえのなさを、改めて知らされた。

2018/12/22

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sea&pink(しーぴん)

私はこの本を読みたくて読んだのではなかった。探検記なんて全く興味ないし、終始闇夜で終わる1冊なんて暗くて辛いだけだろうと。大賞をとった本という事で半ば義務のように読み始めた生半可な気持ちが読み始めてすぐに引きずり込まれた。そういえば私は極夜の何を知っていたんだろう。白夜の方はイメージがわくのに。24時間、数カ月太陽が現れないことの意味をここまで考えたことがなかった。明日になったら朝がくる、夜になったら一日が終わる、そんな当然のことが無化される極夜。物の輪郭がなくなり、時間、未来の概念も闇の中では消える。→

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修一郎

暗いのが全くもって苦手,なので厳寒の極夜行なんてのはあの世を踏破行しようというイメージだ。文字通り何度も死にかけるサバイバル行なのに,星座に妄想してみたり詳細な記録を後世に残そうとしたりするタフなメンタルとシステムの外に出たい!というワイルドな志に敬服した。ウヤミリック,写真で見るといい顔してんじゃん!きっと腸内細菌みっちりの良質の栄養を摂っているからだ。極夜行クライマックスでの靄に浮かぶ極夜明けの幻想的な太陽を写真で見た。これを見るために4年かけて旅してきたのか,と感動だ。命がけの極地踏破記,圧巻です。

2019/03/12

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