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でぃすぺる

でぃすぺる

でぃすぺる

作家
今村昌弘
出版社
文藝春秋
発売日
2023-09-21
ISBN
9784163917498
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「でぃすぺる」のおすすめレビュー

死者が遺した「七不思議」の謎に小学生が挑む! 『屍人荘の殺人』今村昌弘が贈るオカルト×ミステリー×ジュブナイル

『でぃすぺる』(今村昌弘/文藝春秋)

 提示された謎は、論理的に解き明かせるのか、それとも心霊現象や怪異などの超自然的要素を含んでいるのか。本格ミステリーとオカルトの境界線上を行き来し、読者の価値観を揺さぶる推理小説は少なくない。だが、『でぃすぺる』(今村昌弘/文藝春秋)は、読者の予想をさらに大きく裏切ってくる作品だ。本格ミステリーとオカルトを高水準で融合させつつ、ついジャンル分けしたくなる読者の心理を手玉に取り、とんでもない場所へと連れ去っていく。すべてがわかった時には唖然呆然。なお、今村昌弘氏と言えば、『屍人荘の殺人』(東京創元社)をはじめとする「剣崎比留子」シリーズで知られるが、本書はシリーズ外で初の単行本となっている。

 山の裾野に広がる「奥郷町」に暮らすユースケは、小学校最後の夏休みを終えたばかり。2学期最初の日、彼はクラスの係を決める会で「掲示係」に立候補する。というのも、ユースケは都市伝説や心霊現象といったオカルトネタが大好き。壁新聞を作る掲示係なら、思う存分怖い話を書けると考えたからだ。だが、学級委員長を務めると思われていたサツキも、…

2023/9/21

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でぃすぺる / 感想・レビュー

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starbro

今村 昌弘、4作目です。青春オカルトミステリ、宮部みゆきが書きそうなテーマですが・・・ 今時の小学校でも壁新聞なんか作成しているのでしょうか❓ オカルトの記事を掲載していると恐怖新聞(byつのだじろう)が届くかも知れません(怖) https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163917498

2023/10/27

パトラッシュ

これまでリアルの領域に踏み止まってきた著者だが、ついに本作でオカルト側へ傾斜した。全体の構成は『ドラキュラ』で英国に上陸した吸血鬼と戦うヴァン・ヘルシングとその仲間たちに準拠している。住んでいる町の七不思議を探る小学生3人組の探索が、最初は微笑ましく進んでいたのが少しずつキナ臭さを増していき、やがて大人が必死に隠していた悪夢の如き秘密に辿り着いてしまう。探偵が小6なのが不自然なほど頭がよく、怪異に直面してもパニックを起こさず立ち向かうのはどうかと思うが、明智小五郎抜きの少年探偵団の活躍を読んでいるようだ。

2023/12/22

青乃108号

とある田舎町で殺人事件が起こり、犠牲者が犯人の手掛かりとして遺した7つの怪談。託されたのは小学六年生の男女3人。何故小学生か。読む前は大いに不安だった。しかしこの物語はこの3人が小学生である事でしか成立し得ない、と読後納得。ジュブナイルxオカルトx本格ミステリーの融合という無謀な挑戦は見事に成功している。これは文句なく面白かった。

2023/11/02

旅するランナー

オカルト推理ミステリー。奥郷町の七不思議の謎。うち六つは、表紙裏に不気味なイラストが描かれている。そして、七つ目を知ると死ぬ。小学六年生の男女3人組が一つ一つ解明していくのが王道的に面白い。最後はノックスの十戒が出てきて、推理小説を書く時のルールを一つ破ることに敢えて言及する。賢いちるどれん。

2023/11/04

やっちゃん

オカルトかミステリか、どっちつかずで混乱したままの読書ではあったが終盤にかけて徐々に緊張感を高めていく盛り上げがうまくて年甲斐もなくドキドキさせていただきました。オカルトなのにしっかりミステリとしての理屈は通してるのが素晴らしい。

2024/03/08

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