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快楽主義の哲学 (文春文庫 し 21-2)

快楽主義の哲学 (文春文庫 し 21-2)

快楽主義の哲学 (文春文庫 し 21-2)

作家
澁澤龍彦
出版社
文藝春秋
発売日
1996-02-09
ISBN
9784167140038
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快楽主義の哲学 (文春文庫 し 21-2) / 感想・レビュー

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ehirano1

最初の1/4でおおっ!となるも、以降は奇人変人奇行蛮行その他諸々で圧倒されて見事にKO状態。しかしこれは著者の作略であることが判明し、残り1/4がこれまたおおっぅ!となりました。ということで著者に完全にもてあそばれた感があります、というか弄ばれた。でもなんか楽しかったんですよね。もう一回読もうと思います。

2021/07/12

ヴェネツィア

「語り」の方法が、いつもの澁澤と全く違っていて違和感が否めなかった。澁澤が語ったのを誰かが文字に起こしたような印象だ。小見出しも何か変だ。解説によると、もともとはカッパ・ブックスに書かれた、いわく付きのものであるらしい。帯には「幻の名著」とあるが、澁澤ファンとしては、とうてい首肯できない。本書の最大の欠点は、読者を説得しようとし過ぎていることだ。澁澤には、いつものように自由気ままにペダンティック(衒学的)に語ってほしい。わざわざ、ことさらにヒューマニズムを否定したりする必要もないのだ。

2012/11/01

青蓮

久しぶりに再読。今の時代にそぐわない部分はあれど「人生には、目的なんかない」と冒頭からなかなか刺激的。読んでいて三島由紀夫の「不道徳教育講座」を思い出しました。「幸福」と「快楽」の違いや「健全な精神こそ、不健全である」「快楽主義とは、何か」などを解りやすく説いています。「快楽主義の巨人」では強烈なエピソードが満載。ゲーテの恋多き生涯には脱帽。そして澁澤さんは「快楽とは、自分で発見しなければ意味がないもの」だと言います。快楽主義の実践は正直に言って無理があるけれど「孤高の異端たれ」というメッセージには同意。

2016/06/12

コージー

★★★★☆古くさい道徳やお上品な理想論などをぶちこわし、人間の行動を駆り立てる「快楽」を求める生き方を提唱。豊かさによって幸福が増大したのではない。逆に心配ごとが増え、自由や欲望が制限されつつある。なるほど、赴くままに生きることで、確かな充足感を得られるのかもしれない。【印象的な言葉】一個のリンゴを十人で等分に分けた場合、もう快楽はないのです。快楽主義を実践するためにも、こんな平等などという、まやかしの理想にひっかかってはいけない。

2018/07/21

Aster

相当な間を開けての再読。明らかに大衆向けというか毒がないというか…でもかなり好きな本なんですけどね。たまに論理の飛躍はあるけれど、この本はそんなことを気にしなくていい。痛烈な批判が気持ちいい。人間を自然的なものとするのはごく自然的な事であって、快楽をレジャーや機械的な仕事に求めたり、あるいは社会的制約の中で求めたりするのは生きる価値が無いのと等しい。今ではありふれた逆張り精神も、性癖の歪みも快楽の追及には重要なことである!それらが無い人間は前々から思っているが、彼らの全てが借り物に思える。

2020/11/05

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