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快楽主義の哲学 (文春文庫)

快楽主義の哲学 (文春文庫)

快楽主義の哲学 (文春文庫)

作家
澁澤龍彦
出版社
文藝春秋
発売日
1996-02-09
ISBN
9784167140038
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快楽主義の哲学 (文春文庫) / 感想・レビュー

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蓮子

久しぶりに再読。今の時代にそぐわない部分はあれど「人生には、目的なんかない」と冒頭からなかなか刺激的。読んでいて三島由紀夫の「不道徳教育講座」を思い出しました。「幸福」と「快楽」の違いや「健全な精神こそ、不健全である」「快楽主義とは、何か」などを解りやすく説いています。「快楽主義の巨人」では強烈なエピソードが満載。ゲーテの恋多き生涯には脱帽。そして澁澤さんは「快楽とは、自分で発見しなければ意味がないもの」だと言います。快楽主義の実践は正直に言って無理があるけれど「孤高の異端たれ」というメッセージには同意。

2016/06/12

ヴェネツィア

「語り」の方法が、いつもの澁澤と全く違っていて違和感が否めなかった。澁澤が語ったのを誰かが文字に起こしたような印象だ。小見出しも何か変だ。解説によると、もともとはカッパ・ブックスに書かれた、いわく付きのものであるらしい。帯には「幻の名著」とあるが、澁澤ファンとしては、とうてい首肯できない。本書の最大の欠点は、読者を説得しようとし過ぎていることだ。澁澤には、いつものように自由気ままにペダンティック(衒学的)に語ってほしい。わざわざ、ことさらにヒューマニズムを否定したりする必要もないのだ。

2012/11/01

コージー

★★★★☆古くさい道徳やお上品な理想論などをぶちこわし、人間の行動を駆り立てる「快楽」を求める生き方を提唱。豊かさによって幸福が増大したのではない。逆に心配ごとが増え、自由や欲望が制限されつつある。なるほど、赴くままに生きることで、確かな充足感を得られるのかもしれない。【印象的な言葉】一個のリンゴを十人で等分に分けた場合、もう快楽はないのです。快楽主義を実践するためにも、こんな平等などという、まやかしの理想にひっかかってはいけない。

2018/07/21

強い意志を持ち、常識や倫理・道徳の矛盾を指摘し自身の哲学を展開している。本を読みもっともだと同意する自分の、代わらない浅薄さを恥じた。常識を批評するだけなら誰でも出来る。渋澤氏は人生をかけて異論を唱え続けた志しある"かぶき者"なのだ。自分のような優柔不断・意志薄弱な人間に認めてほしくは無いだろう。三島氏も認めた孤高の考え方・生き方は崇高であると思う。

2015/06/20

美羽と花雲のハナシ

快楽を貪る行為が悪だという風潮を唾棄し、人間が本来享受すべき快楽について語る。実践ではなく、あくまで哲学だ。快楽を多角面から考察し、その本質を模索していく。「死」「性」「酒」「肉」「惰」「遊」は快楽とは切っても切り離せない関係にある。文豪、文学、歴史人物からの引用を多用する。快楽と幸福の相違の記述が興味深い。快楽とは瞬間的なものであり、幸福とは持続的なものである。しかし、一番印象に残ったのは、サドの小説を「猥褻などというものでは決してない。それは人間の自由の高らかな賛歌である」と検察官が弁護した場面だ。

2012/12/05

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