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フラミンゴの家 (文春文庫 い 55-5)

フラミンゴの家 (文春文庫 い 55-5)

フラミンゴの家 (文春文庫 い 55-5)

作家
伊藤たかみ
出版社
文藝春秋
発売日
2011-01-07
ISBN
9784167801212
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ジャンル

フラミンゴの家 (文春文庫 い 55-5) / 感想・レビュー

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ミカママ

これはいい。ヤンキー風の父親・正人が、離婚後別れて暮らしていた小6の娘・晶を夏休みの間だけ引き取るところから物語は始まる。簡単に言えば「喪失と再生、正人(父親として)と晶の成長の物語」なのだが、そこへ著者ならではの繊細な描写力が加わって、絶妙な作品に仕上がっている。関西弁の会話も、物語にいっそうの魅力を加えている。今年上半期ベストの予感。

2018/04/07

じいじ

 オモシロイ! 関西弁が一層の親しみを醸し出す人情家族小説です。別れた元妻の入院で、急遽娘との暮らしが始まります。自由奔放な娘の来宅に、慌てて同棲の女を実家に帰らせて対応する不器用な父親の緊張した戸惑いぶりが、何とも可笑しい。でも、このヤンキーな父親が愛着を抱かせるオヤジなのだ。噛み合わなかった二人の関係が徐々に…。著者は、この父と娘の距離感、感情を絶妙に描き上げています。笑って、泣かせてくれる、ハートフルな温かい小説です。

2018/04/13

papako

うわー、なんてええ話なんや!お気に入りさんのレビューで気になって。初めての作家さん。芥川賞作家さんなんですね。こてこての関西弁が心地よく、関西の田舎の息苦しさ。親の病気で押しつぶされそうな娘。ぎこちない父親と娘、そしてそんな二人を囲んでいる友人や彼女たち。関西のちょっと恥ずかしがりでお節介な人たちのお話。片瀬さんがパパになり、徐々に家族に戻っていく。そして彼女のあや子さんがいい味出してる!号泣ではなく、静かにじんわり泣かされました。ほんま、ええ話です。芥川賞受賞作も読んでみよう。

2018/04/26

ぶんこ

何となく読み始めたのに、夢中になってしまいました。もし街中ですれ違ったら怖いであろう正人さんと周囲の人々でしょうが、温かくていい人達。唯一の頼れる大人だった母が、末期の癌で余命いくばくもないとあっては、不安でたまらなかったであろう晶ちゃん。母の再婚予定の小早川さんは、いざという時真のヘタレだと感じて、余計心細かったでしょう。そんな時、ずっと分かれて暮らしていた父と、父の相方あや子さん、父の周囲の人々に可愛がられ、守られ、本当に良かった。読後感爽やかです。

2016/03/10

はつばあば

関西の田舎を舞台に関西弁なので辛い内容なのにほっこりする。元妻の入院中に6年生になった娘を預かるチョイ軽父親。口の悪さや行為の粗っぽさに驚きもするが、地元の付き合いの深さと愛情を感じる。そうよ、大人だからって完璧じゃないわ。婆になってでも私もまだ子供。娘達に「大人げない」と云われようが、母が生きてる限りまだ娘じゃ!。とは云うものの娘として最後の締めくくりを全うできるよう・・時間は際限なく有るわけでないので、気を引き締めて母と過ごそう。重い内容ですが読後感がよかったので少しの間たかみさんに浸ろう。

2016/03/07

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