KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

痣 (文芸書)

痣 (文芸書)

痣 (文芸書)

作家
伊岡瞬
出版社
徳間書店
発売日
2016-11-22
ISBN
9784198642716
amazonで購入する

ジャンル

痣 (文芸書) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

おしゃべりメガネ

これまで何作か読んできた伊岡さん作品ですが、確かに面白く、しっかりとした作風であることは感じていました。しかし、なんとなく一皮むけないというが、地味な印象を拭えない感があったのですが、本作はそんな作者さんのジャンピングボード的な作品になるのではないかと。シンプルなストーリーとわかりやすいキャラで、ぐいぐい突き進んでゆく展開はやっぱりストレスがなくて、読み心地が抜群です。超どんでん返しかどうかは別にして、ほどよい重量感があり、読後感も悪くはありません。主人公の相棒である若手の刑事のキャラがかなりいいですね。

2016/12/16

いつでも母さん

『代償』の伊岡さんの新作。参ったな。妻を殺され刑事を辞めようとしていた真壁に同化している自分がいた。亡き妻の痣と酷似している事件が起こり、それが連続事件へ発展しそして解決への糸を手繰るのだ。ーそんなことで妻は殺されなければならなかったのかー虚しい、憤り、遣る瀬無い・・どんな言葉もいらない。歪んだ犯人の気持ちなど斟酌も出来ない。警察って警察って・・(汗)姿は見えなかったが異母兄弟に思いを馳せてしまった。伊岡さん、面白く一気でした。次作にも期待してしまいます。

2016/12/11

🐾Yoko Omoto🐾

妻が殺害されてから一年。事件は犯人死亡で決着しているものの、その容疑に疑念を抱き続ける夫で刑事の真壁。同僚の不可解な失踪も未解決のまま、辞職の日が近付いていたが、真壁の疑念を更に深めるかのような連続殺人事件が発生する。刑事同士の陰湿な確執、厳しさの裏で主人公の能力を買ってくれる上司、使えない奴と思いきや頼れる部下など内部事情はお約束な印象だが、過去と現在の事件の不気味な繋がりを最大の謎とし、全てのピースが出揃った終盤で一気に畳み掛けるスピード感がいい。犯人の意外性や、その特異な動機にも満足。面白かった。

2017/02/12

nobby

「ええっ、ちょっと混乱しています。ぜんぜん、頭の中でイメージできないですよ」物語も終盤、事件のほとんどのパーツが出揃っていて尚発せられたセリフが全てを表している。そこから70頁で、複雑かつ難解な事柄の連鎖を見事に解明していく様は爽快そのもの。タイトルでもある『痣』が序盤から描かれるも、挑発された真壁の動きが案外鈍いことが、結果的に覚醒してからの一気読みを生んでいる!繰り返される惨殺模様と、それに潜む背景には何とも心痛めるばかり…相当の悪党ぶりにまた気持ち落ちるが、亡き妻はじめ優しき周囲の存在にホッとする。

2018/11/12

タックン

久々に面白い警察推理物を読んだ。前半はスローペースだったけど後半は真相を早く知りたくて一気よみ。ネタバレしたくないので簡単に書くけど、猟奇的な殺人のグロイ描写以上に犯人像や真相の背景がやっぱり予想範囲だったとかやるせない思いでいっぱいになった。あまりにも理不尽に人が死に過ぎる・・・。朝美の死が悲しすぎる。俺も真壁なら同じようになるなあ。せれでも300ページ弱でこれだけの警察物をすきっと描いた伊岡さんの筆力は凄いと思った。お勧めだから読んでみてね。

2017/05/27

感想・レビューをもっと見る