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ブラック・ショーマンと覚醒する女たち

ブラック・ショーマンと覚醒する女たち

ブラック・ショーマンと覚醒する女たち

作家
東野圭吾
出版社
光文社
発売日
2024-01-24
ISBN
9784334101824
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「ブラック・ショーマンと覚醒する女たち」のおすすめレビュー

東野圭吾・元マジシャンが探偵役の「ブラック・ショーマン」シリーズ第二弾。罠を仕掛ける探偵×嘘のつけない姪のコンビが良すぎる

『ブラック・ショーマンと覚醒する女たち』(光文社)

 かつてサムライ・ゼンと呼ばれた元マジシャンの神尾武史が探偵役を務める東野圭吾の「ブラック・ショーマン」シリーズ(光文社)。第二弾となる『ブラック・ショーマンと覚醒する女たち』は、事件を通じて人生を切り開いていく強さを手にする女たちの姿を描いた短編集である。

 アプリ婚活で出会った男の資産を探る女が訪れたのは「トラップハンド」。武史がマスターを務めるバーである。直訳すれば「罠の手」だが、マジックを披露することはない。かわりに卓越した観察眼で客の秘密を手中におさめ、困り事にはさり気なく手を差し伸べ、必要とあらばお灸を据える。その行動のモチベーションは、個人的な興味と利得、面倒事を避けるためのリスクヘッジで、正義の味方というには腹黒いところもあるけれど、陰のあるダークヒーローに人は魅了されてしまうものである。

 誰に対しても一定の距離をとる武史が、『〜名もなき町の殺人』で再会した姪の真世にはなんだかんだ言って甘く、クールに突き放しているようで押し負けることが多いのも魅力の一つだろう。本作では『〜名もなき町…

2024/3/5

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ブラック・ショーマンと覚醒する女たち / 感想・レビュー

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starbro

東野 圭吾は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。「ブラック・ショーマン」シリーズ第二弾は、気楽に読める連作短編集でした。オススメは、「リノベの女」&「査定する女」です。 https://special.kobunsha.com/blackshowman/

2024/03/07

パトラッシュ

ミステリの探偵は数あれど、警察と無関係に純粋な趣味で勝手に事件を解決している設定の探偵は珍しい。その数少ない例外である神尾武史の本職はマジシャンであり、人の視覚と心を錯覚させるのが仕事のはずが、舞台ではなくバーでの人間関係にあてはめて欺瞞や悪意を暴くのが武史の趣味なのだ。正義感というより面白がって首を突っ込んでは、詐欺や脅迫で追い詰められたり、自分を見失った女性を救い出す手際の鮮やかさには感嘆する。当然、深刻なはずがコミカルに終わる話ばかりで楽しく読める短編集だが、再び真世と共に長編での活躍を期待したい。

2024/02/21

bunmei

元マジシャンで『TRAPHAND』のマスター神尾武史が主人公のシリーズ第2弾。一見クールで、冷静な武史、しかし一方で、気になる厄介事には手を差し伸べる人情味の溢れる武史。マジック仕込みの人間観察力と華麗なるトリックで謎を解き明かし、迷える人々の窮地を救う。思い悩み、人生の選択を迫られる女性への後押しをすることで、彼女達を覚醒し、変貌させていく連作6編。武史を頼り『TRAPHAND』に持ち込まれた女性の苦悩を、持ち前の大胆なトリックで、人としての生き方と情に訴え、希望の光が差し込む解決へと導いていく。

2024/03/11

ノンケ女医長

隠れ家的なバー「トラップハンド」。店のカウンターで繰り広げられる、男女の会話。お互いを探り合い、一生を誓う相手として本当に相応しいのか、判断がなされる。一瞬で見抜き、巧みな話術でますます客の素性を引きずり出すマスターの腕。知識や経験というより、天賦の才能なのかなと思った。トラップハンドを訪れる女性客はみんな、結婚相手に求めるものが財産以外にないとの信念なのだろうか。それもそれで、恐ろしい話かも。私は安心感を金銭に求めないので、トラップハンドには行かない。

2024/02/25

hirokun

星5 マジシャンを主人公にした連作短編集。東野圭吾さんの作品は本当にリーダビリティが高い。軽いタッチの推理小説なのだが私には本当に気持ちよく読み進められる。あまり深く考えさせるような背景、テーマがあるわけではないだけに、筆力がないと軽薄な作品となりがちだが流石というほかない。あっという間に一気読み。コーヒーを飲みながら午前中の時間を気持ちよく過ごせた。東野さんどうもありがとう!

2024/02/17

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