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殺人鬼がもう一人 (光文社文庫)

殺人鬼がもう一人 (光文社文庫)

殺人鬼がもう一人 (光文社文庫)

作家
若竹七海
出版社
光文社
発売日
2022-04-12
ISBN
9784334793425
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殺人鬼がもう一人 (光文社文庫) / 感想・レビュー

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麦ちゃんの下僕

多摩丘陵にある寂れたベッドタウン「辛夷(こぶし)ヶ丘市」を舞台に、警察官を含め登場する人物が全員悪人(!?)という“ダーク・コメディ・ミステリ”連作短編集。6編全て女性が語り手であり、その内2編の語り手である辛夷ヶ丘署生活安全課の警察官「砂井三琴」が、唯一全編に登場する人物としてこの作品のキーパーソンになっています。結婚式でのドタバタを描いた「黒い袖」はかなり笑えますが…「きれいごとじゃない」「葬儀の裏で」のオチには戦慄。若竹さんは初読みでしたが、噂の“毒気”は効きますね…辛夷ヶ丘市には絶対住みたくない!

2022/05/07

mihya

連作短編集。最初は、辛夷ヶ丘警察署生活安全課の悪徳職員のバディもの?最後までこの調子なら飽きるかも…などと思ったんだが、そんなんじゃなかった。出て来る人、全員が悪人。殆どの人に多少のエゴはあるだろうが、そのエゴが振り切れちゃった人ばかり。ここまで来ると笑える。全体通してブラックで、半笑いのまま凍りつく。 「黒い袖」のドタバタ感が好き。表題作「殺人鬼がもう一人」のラストも良い。

2024/03/15

ピース

場所は東京の辛夷ヶ丘の警察署。そこの生安課の砂井三琴と田中盛の凸凹コンビのコミカルな話かと思ったらちょっと違う。シリアスな話ばかりで結論というかオチはボカされてる。中でも最後の表題作のクライアントは誰だったんだろうか。

2022/10/31

Kanonlicht

東京郊外の架空の街を舞台にしたブラックコメディ感たっぷりのミステリー短編集。街の警察署の生活安全課捜査員を中心に、数々の事件の顛末が描かれる。高齢化が進むのどかなベッドタウンという仮面の下には、連続殺人や放火、ひったくりなど物騒な事件が頻発する裏の顔があり、そこで暮らす住民たちも一見善良な市民に見えて…。ほのぼのと面白おかしく書かれているけれど、どこか背筋が寒くなるのは、さすがにこんなことはないでしょ、と笑い飛ばすことができないから。犯罪そのものよりも、悪気がないのが一番怖い。

2023/11/14

geshi

登場人物が悪人しかいない毒っ気たっぷりのイヤミス。警官も悪徳なら、犯罪者も己の欲望にストレートで、ここまで悪意に忠実だと逆に笑っちゃうわ。狭いコミュニティーや親族関係の嫌な部分をしっかりと描いているから、それでも自らのやり口を通す悪人の強さに一種の小気味よさすら感じてしまう。特に『ゴブリンシャークの目』の巧みな伏線回収やセリフの使い方の巧さにはニヤニヤしちゃったし、『黒い袖』のスラップスティックコメディに笑っていたら思わぬ一言が効いてくるラストにはやられた!

2022/07/12

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