「学校が世界のすべて」になりがちな中学生時代、どう過ごしていましたか?『王妃の帰還』/佐藤日向の#砂糖図書館㊴
"女の子"というのは内側に沢山の感情を隠して生きている。特に中学生はグループや仲間意識が強く、まわりと違うことをせずに空気を読むことで、学校で呼吸がしやすかったりすることがある。
今回紹介するのは、私が3月20日から出演させて頂く舞台の原作である、柚木麻子さんの『王妃の帰還』だ。
本作は、世界史好きの女子校中等部2年生・ノリスケこと範子が、クラスに存在する身分制度をフランス革命に喩えるところからはじまる。クラスのトップに君臨する王妃こと滝沢の権威が、首飾り事件ならぬ腕時計事件によって失墜し、地味グループに所属するノリスケ達と関わることで、少女たちが大人になっていく、という作品だ。
私は、中学生時代をどう過ごしたかで“大人"としての振る舞い方が変わるのではないかと思っている。思春期の影響力は、思っているよりも大きいのではないだろうか。
私は小学生の頃から芸能の仕事をしていたこともあり、中学に進学してすぐにまわりから一線を引かれ、所謂仲良しグループに所属ができなかった。私自身それを気にしているわけではなく、毎日違うグループの子と必要な時に話して「こ…