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春狂い

春狂い

春狂い

作家
宮木あや子
出版社
幻冬舎
発売日
2010-05-11
ISBN
9784344018228
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春狂い / 感想・レビュー

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🐾Yoko Omoto🐾

宮木作品初読み。幼少の頃からずっと、女たちの嫉妬と憎しみ、男たちの性的欲望の視線を耐えることなく浴び、蹂躙され続けた一人の美しい少女。普通人は生まれてすぐ光を知り、様々な経験に揉まれながら闇を知っていく。だが少女は真逆だった。光があるのかすら信用できない永遠の修羅場を強要された彼女にとって、光や愛は“普通でないこと”であり、その世界は全て裏返しなのだ。正常と異常の概念など、それぞれが何を普通だと認識させられているか、何を当然だと思っているかによって大きく異なるものなのだと、突きつけられた思いだ。→(続)

2016/07/23

ひろちゃん

白く美しい桜の季節、美しい少女の青春の危機。白い花が決して赤く染まらぬように…。 文学的な小説。いくら美しいとはいえ現実的ではないような気がしていまいちなじめなかった。あとがきの「この小説は悪いやつは生き残って、いい人は死んでいく展開でも最後まで少女を肯定しない姿勢がすごい。少女は18まで生きなければならなかったのだ」っていう言葉が印象に残った。

2015/12/14

misa*

宮木さんらしいといえば、らしいのかもしれない。生まれながらにしての環境、運命、絶望。渦巻く感情の表現が丁寧でいてかなり残酷。正直重くて暗くて、途中で断念しそうになったけれど、なぜか読み手が止まらず。思春期がどうとかいう前に、もしも現実に起こり得る話だとしたら、それこそ春狂いだと思う。ただ、絶望のなかにでもほんの少しの光を感じられた場面があったのには少し救われたかな。

2017/09/24

Satomi

少女は美し過ぎた。女からは妬みやっかみの視線、男からはまとわりつくような性的な視線に曝され続ける。そしてそれはエスカレートし精神的肉体的に少女は犯される。少女と関わってしまったせいで狂い出すのか…狂ってる人を少女が呼び寄せてしまうのか…。どこかしら、なにかしらオカシイしい人たち。そして美し過ぎる少女もまた…。これまでもこの先も私は経験する事がないであろう世界観。嫌悪感の中に渦巻く隠しきれないような好奇心。イヤな気持ちを超える何かがある。だから読んでしまう。読まされてしまう。

2016/06/26

ゆみねこ

狂気のような欲望にさらされる美しい少女と、彼女が唯一心を開いた美しい少年。こんな鬼畜のような教師たちや肉親がいたら、救えないでしょう。美しさの故の不幸、それは彼女らの責任ではないと言うのに。不快な描写の連続なのに、読むのをやめられない。これも筆者の力があればのこと。

2015/03/17

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