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啼かない鳥は空に溺れる

啼かない鳥は空に溺れる

啼かない鳥は空に溺れる

作家
唯川恵
出版社
幻冬舎
発売日
2015-08-06
ISBN
9784344027954
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「母に愛されたかった」「母の愛が重かった」離れられない2組の歪んだ母娘物語

『啼かない鳥は空に溺れる』(唯川恵/幻冬舎)

「毒親問題」の中でも、近年特に取り上げられることが多いのが「母娘」の問題だ。女同士の密接な関係。それはときに、健全な「愛情」の域を超えたこじれた関係性をも生んでしまう。

『啼かない鳥は空に溺れる』(唯川恵/幻冬舎)は、歪んだ母娘関係を真正面から切り抜いた小説だ。本書には主人公の女性、いや、「娘」が2人登場する。愛人の援助を受けセレブ気取りの生活を送る32歳の千遥。彼女は幼いころから母の精神的虐待に痛めつけられてきた。一方、中学生のときに父親を亡くした27歳の亜沙子は、母の愛を受けながら、2人で助け合いながら暮らしてきた。しかし彼女は母の愛に疑問を感じ始める。

■母の精神的虐待を受ける娘は、散財中毒  母から愛されなかった千遥は、親元を離れてもなお母の呪縛に苦しめられる。個人的に印象深かったのは、彼女の散財癖について語られるシーンだ。

 母からの電話で罵声を浴びせられた後、衝動的にシャネルのバッグを買ったことで覚えた恍惚感。その日から膨らみ始めた彼女の欲望には際限がなくなり、千遥は仕事とは別にファッションヘル…

2018/6/2

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啼かない鳥は空に溺れる / 感想・レビュー

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ナイスネイチャ

図書館本。母親と娘、疎まれて育ってきた娘と勤しみ助けあいながら生きてきた娘。どちらも結婚を考える時期になり母との将来を見つめ直していく物語。母親の思いと娘の思いのギャップが徐々に明らかになり男の私にはどうだろう?と思う部分もモヤモヤしたままラストでガツンときました。

2016/05/24

そのぼん

二人の女性目線で、それぞれの母との関係や恋愛事情を描いた作品でした。ふたりともタイプの違う女性で、結婚に向けて順調に進むかと思いきや思いもよらぬところで問題が待ち受けていて・・・。いや、片方の女性は二股をかけている状態だったので自業自得ってところもなきにしもあらずってところですが。それでも、最後の方を読むと、『こういう方向で収まるのか・・・。』と思ってしまいました。恋愛もの独特の甘さはなく、むしろ重苦しさというか、閉塞感を感じる作品でした。面白かったけど、読み終えたときとても疲れた気分になりました。

2017/01/10

ウッディ

二組の歪んだ母娘関係。あり得そうな話で怖い!

2017/06/17

taiko

2組の母娘の呪縛と依存の物語。面白くて一気読みです。母であり娘である私には、心当たりはないと自分では信じたいけれど、娘はどう思っているか、若干の不安も感じます。子供に対して、自分の思い通りにしたいと思ってしまう過ちは、多くの親が犯してしまう事なのかも。心しておきたいと、自分を戒めようと思いました。それぞれの母娘の最後が怖いです。呪縛はずっと続くのでしょうか。

2016/01/20

いつでも母さん

久しぶりの唯川恵。今回「唯川恵、やるなぁ!」と思わず唸った。心情的にサスペンスよりはホラーかと!呪縛も共依存も母と娘の関係は一筋縄ではいかないのだ。多分、その娘が親となって連鎖か?少子化の現代だから多々有る関係なのかも。子供が沢山いたならば、お互いに関わる時間が少なかったはず(それでも感じ方は違うだろうが)『親』とは厄介な存在なり。千遥の母だけは共感出来ずだったがリハビリ後の「泣けば許されると思うな」は恐いし深い。ミハルが何かやるのかとドキドキした。私の中で唯川作品のベストに。私も猛省だな・・(笑)

2015/09/11

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