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また、桜の国で

また、桜の国で

また、桜の国で

作家
須賀しのぶ
出版社
祥伝社
発売日
2016-10-12
ISBN
9784396635084
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 数ある須賀作品の中から、最新作『荒城に白百合ありて』に通じる大河ロマンを一挙ご紹介!

架空の帝国から近現代まで彼女に書けないものはない 「この人、“書けないものない系”の書き手だ。」 『革命前夜』解説で、朝井リョウは須賀しのぶという先輩作家をそう表している。架空の大帝国、大正の浅草歓楽街、ロシア革命の嵐が吹き荒れるハルビンに、ベルリンの壁崩壊直前の東ドイツまで。自身とはまったく関わりがない国や時代を、わが目で見てきたかのようなリアリティで物語に仕立て上げる。それこそが須賀作品の魅力であり、真骨頂だ。  大学在学中にコバルト・ノベル大賞読者大賞を受賞して作家デビューを果たし、卒業後はそのまま専業作家の道へ。代表作『帝国の娘』シリーズをはじめとしたライトノベルを精力的に執筆してきたが、一般文芸に移ってからの活躍はさらに目覚ましい。 『芙蓉千里』では、明治期に大陸に渡った少女の冒険を壮大なスケールで描き、2012年度のセンス・オブ・ジェンダー賞大賞を受賞。「女」という枠に縛られず、大胆に人生を突き進む主人公に多くの読者が魅了された。性差を跨ぐことで、世…

2019/12/7

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また、桜の国で / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

在外公館書記生の慎、アメリカ国籍のジャーナリストのレイ、そしてポーランド国籍のカメラマンのヤン。物語はこの3人を軸に紡がれてゆくが、彼らは共にこの時代にあっては破格のコスモポリタンである。そのことは、この3人が出自において、そしてその生い立ちにおいてそれぞれ3様に L'Étrangerであったことと無関係ではないだろう。彼らが邂逅するのは、ナチスに蹂躙される激動のワルシャワであった。まさにその地で彼らは自らが生きる意味を賭けて、それぞれの生を燃焼させた。後には彼らが確かに生きた軌跡だけが光芒を残した。

2021/08/19

遥かなる想い

第二次世界大戦勃発時のポーランドを 舞台にした物語である。外務書記生棚倉慎の 視点で 激動のポーランドを描く。 ドイツとソ連に挟まれた国 ポーランドを 軸に ユダヤとナチ、そして日本の当時の 感情が 残酷に読者に伝わる..それにしても 日本人にはわかりにくい 略奪の国 ポーランドの歴史が 哀しみが 見事に現代に蘇る..貴重な物語だった。

2017/02/22

starbro

5月の1作目です。直木賞候補になってから図書館に予約したので、ようやく読めました。須賀しのぶ、初読です。またポーランドを舞台にした小説もお初めてです。周辺の強国に蹂躙され続けた歴史を持つポーランドにおける感動の物語、脳内BGMショパンで500P弱一気読みしました。直木賞候補だけあって、骨太の佳作です。いつかポーランドに行ってみたいですが、愚かな人類の最大の負の遺産の一つであるアウシュヴィッツを直視できるでしょうか?

2017/05/01

zero1

ポーランドを舞台にしたスケールの大きな作品。友情に泣ける!主人公はロシア人を父に持つ棚倉慎。日本でポーランド孤児と出会った彼は、ワルシャワの大使館書記生となる。大戦勃発でドイツ軍が侵攻。ホロコースト、カティンの森、ワルシャワ蜂起など歴史の予備知識があるといい。私は362ページで明かされる秘密を予想できなかった。慎が気に入らない米国人記者やイエジとマジェナなど登場人物はよく描けている。直木賞は落選(恩田陸「蜜蜂と遠雷」が受賞)だが高校生直木賞に選ばれた。約500ページと長いが読む価値あり!の一冊。

2018/11/01

seacalf

あまり馴染みのなかった国、ポーランド。かの国からの視点で見た目は分厚いが非常に読みやすく、するすると読ませてくれる。慎、マジェナ、ヤン、ハンナ、そしてレイ。命を吹き込まれ血が通ったかのような魅力的や登場人物が物語にのめりこませてくれる。人種証明書、義務づけられたダヴィデの星、そしてワルシャワ蜂起。おぞましいが実際にあった過去の歴史。体に鉛が押し込まれたような気分。強国の唾棄すべきエゴ。戦争はどんな言い分があろうとも、どんな理想を振りかざそうとも決して許されるものではない。その思いを改めて強く心に刻む。

2018/09/09

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