KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

ニッポンの思想 増補新版 (ちくま文庫 さ-54-1)

ニッポンの思想 増補新版 (ちくま文庫 さ-54-1)

ニッポンの思想 増補新版 (ちくま文庫 さ-54-1)

作家
佐々木敦
出版社
筑摩書房
発売日
2023-12-11
ISBN
9784480439147
amazonで購入する

ニッポンの思想 増補新版 (ちくま文庫 さ-54-1) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

Sam

最近「構造と力」が文庫化されたし、日本の思想史を見直す機運が高まっているのだろうか。本書はいわゆるニューアカ時代から現代に至る思想の流れを辿った一冊で、大学1年のときに柄谷行人の「日本近代文化の起源」や「マルクスその可能性の中心」を読んで衝撃を受けたことを思い出しつつ読んだ。内容的に十分な理解には及ばないもののとても分かりやすく整理されていて、ニューアカのあと日本の思想界を背負って活躍している東浩紀、新たに頭角を表してきた國分功一郎や千葉雅也といった思想家の著作もきちんと読んでみたいという気にさせられた。

2024/01/06

しゅん

初版を含めて、気づいたら5回くらい読んでいる?『構造と力』を読み直したら思ったより閉塞感を覚えたけど、本書ですでに指摘されていた。浅田、柄谷、蓮實、福田、東、國分、千葉と、それぞれの「ポストモダン」感の比較論としても読める。他の方も指摘している通り、ゼロ前代の一時期に國分功一郎と千葉雅也が日本にいなかったことが10年代の彼らの存在感に繋がったという指摘には納得する。個人的実感としても、二人の本を読んだときに新鮮さを覚えたのを記憶している。

2023/12/19

hasegawa noboru

二〇〇九年刊行の講談社現代新書版に二〇一六年時点の論考を追加し(第九章)、第十章 二〇二〇年代の「ニッポンの思想」の書き下ろしを加えて、増補新版として昨年一二月に文庫化されて出た本。浅田彰の『構造と力』から始まった八〇年代「ニューアカ」ブーム以降のニッポンの思想界の風景を眺望絶佳に(難解でほとんど歯が立たなかった身にも分かった気にさせてくれるという意味で)鮮やかに顧みさせてくれる。震災、改元、コロナ禍を超えて今二〇二三年の<この国の「現代思想」の風景は、ずいぶんと様変わりしているように見える>と筆者は言う

2024/01/24

ほし

浅田彰をはじめとする80年代のニューアカからはじまり、福田、大塚、宮台らによる90年代、そして東浩紀によるゼロ年代、國分、千葉が現れるテン年代…と「ニッポンの思想」を総ざらいする一冊。現状に対して批判的でイデアル(理念的)な80年代から、現状に対して関与的といえる、リアル(現実的)な90年代へ。そして現状に対して受容的なゼロ年代と、グローバルな視座へと移ったテン年代。このような大きな見立てとともに個々の思想が紹介され、非常に読みやすい内容でした。

2024/02/10

九曜紋

受験生のころ、現代国語の鬼門として君臨していた小林秀雄を通して、思想や哲学というものに対して怨嗟を抱いていたのを思い出す。そして80年代に浅田彰の「構造と力」によって幕を開けたニューアカデミズムのブームには心踊った。その難解な理論を理解できなかったにせよ、何か思想界に新しい波が来たことが単純に嬉しかったのだ。中沢新一らの80年代を経て、90年代の福田和也、大塚英志、宮台真司らも堪能した。もちろん彼等の思想の表面を舐めただけにすぎず、その核心に触れた訳ではないが、本書によってあの当時の知的興奮を思い出した。

2024/01/06

感想・レビューをもっと見る