新装版 不機嫌亭漱石 『坊っちゃん』の時代 第五部
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新装版 不機嫌亭漱石 『坊っちゃん』の時代 第五部 / 感想・レビュー
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4巻は幸徳秋水を中心として、社会主義者の活動や派閥の変遷を描く。維新の時に目指した国家の歩みに、少しの乱れも認めずという山縣有朋を筆頭に、社会主義は激しい弾圧を受ける。弾圧されれば、戦闘はよりテロ的になり、より危険視され、ついには大逆事件に発展。産業構造の変化で、新たな貧困層が現れたが、彼らと知識人社会主義者との間には乖離がある。ロシア革命でも、似たような事はあるけど、あちらは国家権力が弱ってたからね。5巻では、再び漱石。修善寺の大患で30分は死んでいた漱石が、あの世とこの世のあわいで、時代を振り返る。
2018/07/01
くさてる
「坊ちゃんの時代」はまさにこの巻を描くためにあったのではないか、という迫力と幻想の最高のマリアージュにただただ圧倒させられた。内田百閒を連想させるような薄暗い幻の世界のなかで己の人生の時をさまよう漱石の、すさまじい描写。これは谷口ジローの絵でなければ表現できなかったものだろう。素晴らしいです。
2022/02/22
マッピー
明治43年8月。病床にある漱石。 8月24日。 大量に喀血し、30分ばかり漱石は死んだ。 死んだという意識は本人にはないが、確かに呼吸が止まり瞳孔が開いて、漱石は30分ばかり死んでいた。 そして、漱石は文豪になった。 シリーズ五巻を続けて読んで、明治って面白いなあと思った。 江戸から繋がる明治。明治から繋がってる平成。 大きく変わったはずなのに、ぐるりと一回りして同じところに戻ってきたような気がするのは、気のせいなのだろうか。
2015/03/15
getsuki
明治群像劇、完結。修善寺の大患以降の漱石の話が中心。大逆事件の裁判の結審と死刑執行にも触れられている。スガの「ごきけんよう、さようなら」に胸が痛む。
2014/10/18
もだんたいむす
壮絶。★★★☆☆
2016/11/20
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