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砂子のなかより青き草

砂子のなかより青き草

砂子のなかより青き草

作家
宮木あや子
今井キラ
出版社
平凡社
発売日
2014-06-20
ISBN
9784582836448
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砂子のなかより青き草 / 感想・レビュー

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ひめありす@灯れ松明の火

私は清少納言の、なぎこの物語が好き。それは彼女の書いた随筆の華麗さとは裏腹に、人生は『本当の愛』から見放され続けた様な、人生だったから。だから色々読んでいる。どれも「春はあけぼの」をいつ書いたのかに言及していて、しかもそれが全部違うのが面白い。最初に書いたとか、最後に書いたとか、真ん中少し前、とか、少し後ろ、とか。そして最愛もまた、書き手によって違う。宮木さんのなき子は、美しい薫りのする人に惹かれた。鼻は原始的。本能と記憶を揺さぶるモノ。あらゆるものを拒み、誰にももう戸は開かない。記憶だけを抱いて、眠るの

2014/12/17

優希

なき子こと清少納言の目を通じて、仕えていた中宮定子と宮中の様子が描かれています。定子の幸福な頂点から、晩年の不幸に転がり落ちていく様子が、なき子の年増の悲哀と重なり、何とも言えない哀愁を漂わせていました。大部分に漂う暗雲の空気が重く、式部の君、即ち紫式部や中宮彰子、藤原道長に何をされても、やり返すことのできない様子がもどかしかったです。宮中の権力から堕ちていく女性たちの苦しみが痛いくらい胸にささってきます。平安時代というと華やかな内裏の世界を想像しがちですが、実はかなりドロドロしていたのですね。

2015/09/28

なゆ

これまた平安時代の清少納言のお話。ちょっと前に冲方丁『はなとゆめ』を読んだばかりだったのでびっくり。史実に基づいた流れが同じこともあって、それぞれの持ち味を比べながら読むのも面白かった。宮木さんの清少納言(なき子)は、母親として離れて暮らす我が子を想う心情とかも書かれてて、その辺りは女性ならではの視点なのかも。一番驚いたのが、紫式部と彰子を鬼のような悪人に描かれてたこと。「早う殺しておけば良かったわ」だなんて。お互い仕える姫のためとはいえ、紫式部と清少納言が面と向かって火花を散らしてたとしたら、すごいな。

2014/07/26

そうたそ

★★★☆☆ 宮木さんのA面作品。個人的には平安時代の宮中ものはどうも苦手なのだが、これはまだ読みやすい方だったかもしれない。「コバルト」に連載されていたとあって、ストーリー自体もそんなに小難しいものではない。ストーリーの構図も割と単純でわかりやすい。「泥ぞつもりて」をそのわかりにくさから放棄してしまったが、この作品は問題なかった。宮木さんが書いたとあって、若干の百合要素が混じっているのも注目どころ。最近の作品で言うと、冲方丁さんの「はなとゆめ」が似たものとして思い出されるが個人的にはこちらのほうが好き。

2014/08/14

ねむねむあくび♪

図書館の本。面白かったけど、冲方丁の『はなとゆめ』と比べると、かなり昼ドラ・テイスト…( ̄▽ ̄;)切なくて、哀しくて、ハラハラしながら夢中で読んだけど、後半は、ちょっと行き過ぎている感が否めなかった。紫式部と影子を悪く書きすぎでしょ…f(^_^; ま、宮木さんらしいのかな~。

2014/12/14

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