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地元を生きる―沖縄的共同性の社会学

地元を生きる―沖縄的共同性の社会学

地元を生きる―沖縄的共同性の社会学

作家
岸政彦
打越 正行
上原 健太郎
上間陽子
出版社
ナカニシヤ出版
発売日
2020-10-06
ISBN
9784779514975
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地元を生きる―沖縄的共同性の社会学 / 感想・レビュー

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shikashika555

岸正彦さんのオンライン講座次回資料として読んだ。 かねてから リゾートと基地の街、相互扶助の楽園みたいな切り取り方で沖縄を理解することに強い違和感を持っていた。 戦争被害でも米軍基地でも癒しのリゾートでもない普段の沖縄は、内地で暮らす人間には不思議なほど見えてこない事に不審を抱いてもいた。 職業や所得により、安定層 中間層 不安定層に属する人達から見た沖縄に対する語りを聞き取る形で構成されている。 驚く程濃密な語りと、不安定層への参与観察の内容に酔いそうになりながら、休み休みの読書であった。

2021/04/15

ばんだねいっぺい

沖縄の話のようで日本全体の話であり、身につまされるような別世界のような、家族的連帯の暖かさと排除された者たちの行き場のなさ。いつまでたってもよそ者でしかいれないよそ者。うーん。自由でいいと思ったな。

2021/04/30

沖縄的な共同体は決して一面的なものではなく、ある人にとっては怠惰に感じられたり、またある人には過酷な一面を見せたりするということ。いやー読み応えあった。安定層のおじさんとは一献傾けたいくらい共感するものがある。安定層の最後に出てくる女性は著者の一人かな?不安定層の世界はカイジを彷彿とさせるエグさ。調査のためそこに飛び込んでいく打越氏の根性半端ない。「終わらないパシリ」って妙にじわじわくるワードだけどきつかった。少子化と建築現場の小規模化によって下積みが延々続くということらしい。あれこれひっくるめての沖縄。

2021/11/26

ねお

観光で沖縄に行けば美しい海に美味しい食べ物に彩られた、まさに楽園。しかし海沿いの道路を走れば、一頭地に米軍基地が永遠と続き、交通安全祈願の石碑が信号機ほどの数で並び、内地ではみられないほど多くの建築工事のための土砂を積んだトラックが列をなしている。旅での食事の物価は高くなるが、沿岸沿いを離れれば貧困が目につき、スーパーでは高齢者が介助を必要としている。ウインカーを出さずに車線変更する車が多いが、飲酒運転が後をたたないというのにも頷ける。そんな沖縄に住む人たちのことや沖縄という土地を知りたくて手に取った。

2021/11/30

伊田林 浮刄

★★★★☆サービス業と建設業に偏ったいびつな産業構造のなか安定層(公務員やローカル大企業)・中間層(地元の繋がりでサービス業に従事する人々)・不安定層(貧困低学歴な建設作業員や風俗嬢)に分断された沖縄の階層社会を参与観察を通して描いた本書。県外の人間が抱く沖縄のイメージをことごとくぶち壊してしまうような生身の沖縄の人々の暮らしが描かれている。これに銃と麻薬が加わっていたらまんまドン・ウィンズロウの世界じゃんって感じ。最後は春菜さんの人生に幸あれと願いそっと本を閉じました。

2021/05/17

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