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思弁的実在論と現代について: 千葉雅也対談集

思弁的実在論と現代について: 千葉雅也対談集

思弁的実在論と現代について: 千葉雅也対談集

作家
千葉雅也
出版社
青土社
発売日
2018-07-24
ISBN
9784791770809
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思弁的実在論と現代について: 千葉雅也対談集 / 感想・レビュー

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ころこ

千葉の対談、鼎談集です。第Ⅰ部が思弁的実在論を中心に哲学について、第Ⅱ部が文化批評になっています。第Ⅰ部は全て『現代思想』掲載の対談で、哲学研究者同士が専門についてしゃべると厳密になり、自分の立場を守ろうとするか、解説になるだけという残念な印象を持ちました。思弁的実在論の議論は将来消えるかも知れませんが、千葉の思弁的実在論への欲望は第Ⅱ部のような形で続いていくはずです。専門性が異なることで対談の意味があると感じられるのは第Ⅱ部です。阿部との対談で、「長いものを書くのが得意じゃない」「小説って基本的に人間が

2019/03/06

里愛乍

対談集であるゆえに専門用語が飛び交う第一章は無学な自分には流石に難しい。だが非常に興味深い内容でもあり、怒られるかもしれないがスペキュレイティブフィクションを読んでる時の感覚が過ぎった。第二章は非常に理解というより共感しやすく(自分的に)ここで「切断」という言葉がしっくりくる。「装置」とはまさにそれ、そういう本に出会った時のワクワク感は堪りません。書物と読者の間に起こる「生成変化」私には現実しょっちゅう起こっている。本書もまさしくそんな一冊なのでしょう。先ずは『動きすぎてはいけない』を読んでみたい。

2020/03/22

またの名

皆が気づいてるけど言ったらお終いだから言わないでいた哲学思想系における王様は裸だという指摘を相関主義の批判によって行った、思弁的実在論。汎テクスト主義のデリダ派とテクスト外の実在を重んじるドゥルーズ派のうち後者の勝利に資するように見える新実在論と、ポスト3.11文学やイケメン研究といったテーマが、著者の関心の下に並列する対談集。新実在論の国内への紹介に尽力しつつ、思考や欲望がどこまで行っても取りこぼす剰余の次元に蓋をするかのような新実在論者に警戒する姿勢が後世に断罪されるか否かは、他人事でなしに気になる。

2019/02/28

しゅん

思弁的実在論をどのように考えるかを様々な論者と考察する一部、「イケメン」概念、精神疾患の現在、小説と哲学の関係など様々なトピックについて触れた二部、どちらも興味深い話に尽きない。著者のいう「切断」は「他者のために生きるギリギリのところで自分に戻るための切断」を意味していると語っていたところが印象深い。平面と立体に分けて対立項として「イケメン」を語るのも面白いです。松本卓也さんの語り口に好感を持ったので著者を読んでみようと思った。

2019/02/22

masawo

対談集だが専門用語の嵐で骨が折れた。それでも楽しく読み進められたのは、千葉氏の学者らしからぬオープンなスタンスや引き出しの多さ、ある意味飛躍とも言える大胆なイメージの繋ぎ方のお陰だと思う。参考文献を読んでみたくなる良書。

2019/01/17

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