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アスク・ミー・ホワイ

アスク・ミー・ホワイ

アスク・ミー・ホワイ

作家
古市憲寿
出版社
マガジンハウス
発売日
2020-08-27
ISBN
9784838731114
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「アスク・ミー・ホワイ」のおすすめレビュー

古市憲寿の新刊は“BL”ロマンチックストーリー。アムステルダムで出会った青年ふたりが恋をするまで

『アスク・ミー・ホワイ』(古市憲寿/マガジンハウス)

 ボーイズラブ作品でデビューした漫画家・雲田はるこさんの透明感あふれる装画が表紙の『アスク・ミー・ホワイ』(マガジンハウス)。近距離で見つめ合うふたりの青年の様子には、どこか親密な雰囲気が漂う。

【今年No.1ロマンチック・ストーリー】という帯の上にある作家名には「古市憲寿」の文字。朝のTV番組で辛口コメントをする社会学者、あるいは2回連続で著書が芥川賞候補になった、どちらかというとリアリスチックな印象がある、あの古市氏である。

 本作は「ニュースにはいつも続きがない」という一文からはじまる。あれだけ世間を騒がせたスキャンダラスなニュースの数々は、その後どうなったのか。世間はすぐに新しい事件に目を奪われて、ひとつ前の事件を忘れていく。そんな世間にはうんざりだと言わんばかりの書き出しは、なんだか朝のTV番組で見かける著者っぽさが滲んでいて、妙に説得力がある。

 毒を吐く古市氏を思い浮かべて、くすっとしたのも束の間、さらにページをめくると、一瞬にして、淡く美しい世界に惹きこまれる。

 舞台は異様な寒さに包ま…

2020/9/19

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『アスク・ミー・ホワイ』(古市憲寿/マガジンハウス)

 彼にとっては初めて来る街のはずなのに、なぜか目的地を知っているかのように迷わず歩いて行く。二ブロックほど進んだところに、運河に面したベンチを見つけたので二人で腰掛ける。トートバッグの中からサンドウィッチを出して港くんに渡す。気温はまだ10度に届いていないだろうが、コートを着たままなのでそれほど寒くない。 「君、できる子だね。さっきガソリンスタンドで買ったパンよりよっぽどおいしいや」 「そんなこと言ってくれるの、港くんだけですよ。付き合ってた彼女からは、いつも気が利かないとか鈍臭いって、怒られてばっかりだったから。私がいつも決めてばっかりじゃない、って」 「へえ、サクラちゃんだっけ。そうやって彼氏に文句を言いたい子だったんじゃないの。愛情…

2020/11/5

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『アスク・ミー・ホワイ』(古市憲寿/マガジンハウス)

 分厚い雲が東へ流れ、この時期にしては明るい日差しが街を照らしている。 「せっかくハーグまで来たんだから、このまま帰るのもったいないよね」 「観光していきます? 絵画が好きならマウリッツハイス美術館とか、エッシャー美術館とかあります。あとちょっと落ち着きたいならトラムに乗ってデルフトって街に行くとか。Uberかタクシーでもすぐです」 「マウリッツハイス美術館って、フェルメールの『真珠の耳飾りの少女』があるところでしょ。ハーグはこの前ちょっと回っちゃったから、デルフトに行ってみたいな」  デルフトという名前がすぐに出てきたのは、サクラと行ったことがあるからだった。デルフト陶器に興味があるという彼女に誘われて、レンタカーを借りて工房まで行った…

2020/11/4

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アスク・ミー・ホワイ / 感想・レビュー

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旅するランナー

アムステルダムを舞台にした、LGBT小説。世の中に溢れる「悲しい誤解」。でも、誤解を解こうとする過程にこそ意味があるのではないか。完璧に理解し合うことが無理だとわかりながら、その状態に近付こうとする試行錯誤こそが、誰かを思い合うことなのだと思う。っていう考え方が素敵です。そんなわけで、「嬉しい理解」方向にサラッと行ってしまうのが物足りないけど、うまく練られた心地よい小説であることは間違いありません。

2021/07/12

いつでも母さん

『奈落』の余韻が私の脳にあって、今回はどんなだろう・・と。古市さん、こんなのも書くのね~って読めた。男とか女とか恋とか友情とか仕事とか社会とか・・いろいろあるけど、純粋に「ヤマト」と「港くん」この二人の出会いと愛の物語。舞台がアムステルダムっていうのもなんか好い。

2020/09/30

みどり虫

アムステルダムを舞台に描かれた切なくも優しいラブストーリー。異性だろうが同性だろうが、恋の始まりの喜びや苦しみは同じ。ヤマトの心理描写に「わかるぅ…」って何度も思った。古市くんってキスが嫌いってよく言ってるけど、キスシーンもよかったよ。ベッドシーンもがんばったね(わたし誰だよ)。参考文献に料理本が2冊あったのも、村上春樹が出て来たことも好感。この人の小説を読むのは3冊目だけれど、どれも好み。文章がいいんだなぁ。BLだとか敬遠せずに、テレビとはイメージが変わる古市くんをちょっと覗き見気分で読んでみて欲しい。

2020/11/25

なゆ

前作の『奈落』が絶望的すぎた反動か、今度はなんと恋愛小説(しかもBL)とは!あの、確か恋愛とかキスとかもイヤだと言ってたはずの古市氏が…!と、とても読みやすいんだけど、そういう雑念に邪魔されてしまった。アムステルダムで冴えないバイト生活のヤマトは、薬物スキャンダルで芸能界を引退した港颯真と出会う。つくづく思ったのは、恋のはじめの戸惑いとオドオドドキドキ感は、同性間も異性間も何ら変わらないのだなと。これが男女間の話ならありふれてしまうのだろうけど、異国ということもあって幻想的にも感じて読後感もよし。

2021/02/16

aki☽︎‪︎.*·̩͙‬

古市さんがBL⁈読友さんのレビューで知り読んでみた♪これが想像以上に良かった(*≧▽≦) アムステルダムで料理人をしているヤマトと元俳優の港にキュンキュン‪させられた♡寂しく地味な生活を送る一般人と、お金があり派手に遊んでいる元芸能人。友情?愛情?ヤマトの戸惑いや葛藤など心情が丁寧で分かりやすく、気持ちの変化もすんなり受け入れられ自然と2人を応援する気持ちになる。ヤマトはほんと良い奴!港もイケメン感溢れてて危なっかしいところも良い‪(//∇//)ラストどうなるのかと思ったけど、良い意味で裏切られた〜♬︎

2021/07/20

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