KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

夜をわたる月の船 (Holly NOVELS)

夜をわたる月の船 (Holly NOVELS)

夜をわたる月の船 (Holly NOVELS)

作家
木原音瀬
日高ショーコ
出版社
スコラマガジン(蒼竜社)
発売日
2009-11-20
ISBN
9784883863761
amazonで購入する

夜をわたる月の船 (Holly NOVELS) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

えんび@灯れ松明の火(文さんに賛同)

最初からもう引き込まれました。ノンケの葛藤のリアルさ嫌悪感の描写の容赦なさ。『美しいこと』でも感じた痛み、あぁ木原さんです。素直に自分の気持ちを伝えることの出来ないオジサンに振り回され、そこに愛はないはずなのに、それでも突き放せない河瀬。死にたい男・柴岡のかいま見せる内面に、知らず知らずに魅せられている。明るいばかりの将来ではないだろうが終わり方は好きだ。

2010/12/13

辺辺

積本崩し。なかなかダークで面白い。幼少期だけに止まらず成長してからも母親から性的虐待受けつづけていた柴岡が哀れでなりません。しかも止めに父親の代わりでしかない。毒親を持つとそりゃあトラウマにもなるな。河瀬は普通の感覚の持ち主でずっと嫌だと言ってる処がリアルで良かった。「あんたはずっと、俺だけに助けてほしいって言ってったんだ」柴岡の心の叫びを最後の最後でちゃんと河瀬に聞き届けられて、救われる思いだった。攻も受も曲者で素直じゃないのが読んでいて辛かった。最後はハピエンで良かったけど。暗めの木原も個人的に好き。

2018/04/25

合縁奇縁

ある日、河瀬は上司の柴岡に人事異動をたてにセックスを強要された。 どうしても企画部に異動したい河瀬は、たった一度きりで自分の望みが叶うならと、男と寝ることに同意するが…。結局移動は叶わず、やりきれない憎み、殺意を抱く河瀬。それから数年後、河瀬は北海道支社長になった柴岡と再会。暗くて重い。ダークな展開に耐えられない。河瀬が柴岡に惹かれていく過程も、柴岡が河瀬を好きになった理由も、なんだかどのあたりもいまいちピンとこない。

2018/01/07

青龍

ここのレビューを読んで、購入。ひたすら重かった。初期の栗本薫の作品を思わせる雰囲気... BLが、まだ「やおい」とすら呼ばれてなかった頃、こういう重さのある作品があったように思う。柴岡にとって、「生」とは何だったのか、おそらく、本人にもわからないだろうが、河瀬がその闇に引き込まれる様が、怖い。

2015/07/29

Romi@いつも心に太陽を!

木原ワールドにハマってしまいました。この中毒性を帯びた閉塞感、堪らないです。魔性のおじさま、柴岡から目が離せません。絶望と諦観、死にたがる男はただ「救い」を求めていた。河瀬を好きになったのはきっとほんの些細なところから。眩しい光への憧憬、暗闇から連れ出してくれたのはいつだって彼だったのだ。「君の右手が一番好きだ」公園で手を引かれたあの日から、縋りつくように求めたその手に、今はしっかり必要とされている。夢ではないのだと、これからの二人の未来を祈りたい。

2010/10/25

感想・レビューをもっと見る