BL界の芥川賞・木原音瀬の作品を羅川真里茂がコミカライズ! 吸血鬼とエンバーマー、2人の青年の出会いを描きだす
『吸血鬼と愉快な仲間たち』(木原音瀬:著/羅川真里茂:企画、原案/白泉社)
「BL界の芥川賞」と称された作家・木原音瀬。三浦しをんも絶賛する彼女の作品は、2012年に『箱の中』が講談社文庫にて発売されるなど、BLというジャンルを超えて高い文学性が評価されている。そんな木原の人気シリーズ『吸血鬼と愉快な仲間たち』がコミカライズされ、このたび1巻が白泉社から発売された。手がけるのは羅川真里茂。『赤ちゃんと僕』や『ましろのおと』などで知られる、いわずとしれた人気マンガ家だ。
物語は、アメリカ人の青年アルベルト・アーヴィングが日本にやってくるところから始まる。といっても、望んで海を渡ったわけではない。吸血鬼である彼は、血を吸うために蝙蝠の姿で忍び込んだ精肉工場でうっかり冷凍されて、そのまま日本に運ばれてきてしまったのだ。昼は蝙蝠、夜は人間。半端な吸血鬼である彼は、自分の意志で姿を変えることができない。目覚めたときに素っ裸の人間姿だったアルは、当然ながらただの不審者だ。すぐさま逮捕され、留置所から逃げ出した先で出会ったのが血の匂いをただよわせたエンバーマ…