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吸血鬼

吸血鬼

吸血鬼

作家
佐藤亜紀
出版社
Tamanoir
発売日
2019-10-22
ISBN
9784910014029
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吸血鬼 / 感想・レビュー

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tosca

ついてこられない読者を突き放す、そんな不親切な著者になんとか付いて行こうと一語一句、気を張って読むというのが佐藤作品を読む時の変な快感だったが、このあたりでちょっと親切になったか?難解な漢字も減り硬質な文体も柔らかめな感じになった気がする。とは言えオーストリア支配下の19世紀ポーランド辺境の村、どこまでも陰鬱だ。土地の因習や村人の相次ぐ死、序盤から不穏で暗くて寒くて貧しいが、いわゆる「吸血鬼」は出て来ないしホラー要素もない。なぜ吸血鬼なのかを考え余韻に浸りと美しさを噛みしめる。筆者の才能と感性は別物だ。

2020/04/26

ophiuchi

19世紀ポーランドの貧しい村に赴任したオーストリアの役人と隠遁した詩人との関りを軸に描かれる。次々に人が死んでいく陰鬱かつ耽美的な世界に浸った。

2020/10/08

hoiminsakura

再読だが新鮮。登場人物の台詞とト書きで成り立っているような端的な世界観。舞台や歴史を調べると少しずつわかってくる。貧しい村の農民が語る方言もちょっと楽しい。ああこれが、佐藤亜紀ワールドだ。怜悧で残酷で素朴で打算的で、迷って、愛も哀しみも諦念もあり、映画そのもののように楽しめた。やっと著者に少し近づけた気がする。他も再読必死🥰。

2024/05/14

暴力と破滅の運び手

「――クワルスキ氏に対する意趣返しですよ。言葉の方が強く、長く残ることを証明したいのです。どうなるかは神のみぞ知るところですが。」

2020/03/31

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