金子隼也さんが選んだ1冊は?「人間ドラマが最高に熱い。今まで読んだ中で一番面白い本です」

あの人と本の話 and more

公開日:2023/2/15

 ※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2023年3月号からの転載になります。

金子隼也さん

 毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、金子隼也さん。

(取材・文=野本由起 写真=大石隼土)

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「ラスト100ページくらい、もう止まらなくて。驚きの展開が続いて『やばいやばい』って語彙力がなくなるくらいの面白さ。一旦ページを閉じてベッドに入ったんですけど、『ダメだ、気になる』ってもう一度起きて、最後まで一気読みしました」

 そう熱っぽく勧めてくれたのは、現代アメリカを舞台にした歴史ロマン。裕福な銀行家のもとに生まれたケインとポーランドの孤児アベル、光と影をなすふたりの人生が交錯するさまを約1000ページにわたって綴った大作だ。

「とにかく人間ドラマが最高に熱いんです。どちらの気持ちで読んでも夢中になれますし、世界観に引き込む力が凄まじい。ここまでのめり込んだのは初めてでしたし、今まで読んだ中で一番面白い本です」

 もともと読書家で、好きな作家として東野圭吾、湊かなえ、村田沙耶香、コナン・ドイルらの名を挙げる。

「小学生高学年の頃、父から月に一冊は本を読むように言われ、それを継続しているんです。コナン・ドイルは、『名探偵コナン』の影響で読むようになりました。深くハマりやすいタイプだし、収集癖もあるので部屋は大変なことになってます(笑)」

 そんな金子さんが出演中のドラマが、『ハマる男に蹴りたい女』。元エリートの下宿管理人・設楽紘一と、仕事はデキるが家ではズボラな西島いつかがひとつ屋根の下で繰り広げるラブコメディだ。

「ラブコメって、どちらか片方が好きになってから始まる物語という印象がありました。でも、この作品はどちらもお互いに対して良い印象を持っていないところからスタートします。『あ、こういう始まり方もあるんだ』という斬新な展開に驚きましたし、ふたりの関係性がどうなっていくのかが見どころです」

 金子さんが演じるのは、いつかを慕う後輩・末永光太役。

「僕にとっては新しい挑戦が多い役柄です。社会人役は初めてですし、そもそも原作にはいないキャラ。しかも僕とは違うアクティブな人なので、自分なりに想像を膨らませ、声のトーンをいつもより上げつつ、いつかさんへの尊敬のまなざしをしっかり持ってかわいい後輩像を作りたいなと試行錯誤しています。いつか役の関水さんがオフィスに入ってくるシーンでは素で『かっこいい!』と思ったほど素敵な方。僕のオフィスでの奮闘ぶりにもぜひ注目していただけたらうれしいです」

かねこ・しゅんや●1999年、神奈川県生まれ。2012~14年、『大!天才てれびくん』に出演。21年、『ウルトラマントリガー』でドラマデビュー、出演作にドラマ『彼女、お借りします』、映画『劇場版 ねこ物件』など。ZIP!朝ドラマ『パパとなっちゃんのお弁当』に出演中、初写真集が3月に発売予定。

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(c)天沢アキ・講談社/テレビ朝日・ジェイ・ストーム