第160回芥川賞は上田岳弘の『ニムロッド』と町屋良平の『1R1分34秒』に、直木賞は真藤順丈の『宝島』に決定!

文芸・カルチャー

2019/1/16

 第160回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)が発表された。選考会は1月16日(水)、東京・築地の新喜楽で開かれ、「芥川賞」は上田岳弘の『ニムロッド』と町屋良平の『1R(いちらうんど)1分34秒』の2作品に、直木賞は真藤順丈の『宝島』に決定した。

【第160回芥川賞受賞作品】

『ニムロッド』(上田岳弘/講談社)

【あらすじ】
仮想通貨をネット空間で「採掘」する僕・中本哲史。 中絶と離婚のトラウマを抱えた外資系証券会社勤務の恋人・田久保紀子。小説家への夢に挫折した同僚・ニムロッドこと荷室仁。やがて僕たちは、個であることをやめ、全能になって世界に溶ける。「すべては取り換え可能であった」という答えを残して――。新時代の仮想通貨小説!

【プロフィール】
上田岳弘●1979年、兵庫県生まれ。早稲田大学法学部卒業。2013年、「太陽」で第45回新潮新人賞受賞。2015年、「私の恋人」で第28回三島由紀夫賞受賞。2016年、「GRANTA」誌のBest of Young Japanese Novelistsに選出。2018年、『塔と重力』で平成29年度芸術選奨新人賞を受賞。著書に『太陽・惑星』『私の恋人』『異郷の友人』『塔と重力』(以上、新潮社)がある。

『1R1分34秒』(町屋良平/新潮社)

【あらすじ】
なんでおまえはボクシングやってんの? 青春小説の新鋭が放つ渾身の一撃。デビュー戦を初回KOで飾ってから三敗一分。当たったかもしれないパンチ、これをしておけば勝てたかもしれない練習。考えすぎてばかりいる21歳プロボクサーのぼくは自分の弱さに、その人生に厭きていた。長年のトレーナーにも見捨てられ、変わり者のウメキチとの練習の日々が、ぼくを、その心身を、世界を変えていく――。

【プロフィール】
町屋良平●1983年生まれ。埼玉県立越ヶ谷高校卒。2016年「青が破れる」で第53回文藝賞を受賞。同年、同作を収録した『青が破れる』でデビュー。

【第160回直木賞受賞作品】

『宝島』(真藤順丈/講談社)

【あらすじ】
英雄を失った島に、新たな魂が立ち上がる。固い絆で結ばれた三人の幼馴染み、グスク、レイ、ヤマコ。生きるとは走ること、抗うこと、そして想い続けることだった。少年少女は警官になり、教師になり、テロリストになり―同じ夢に向かった。超弩級の才能が放つ、青春と革命の一大叙事詩。

【プロフィール】
真藤順丈●1977年生まれ。2008年「地図男」で第3回ダ・ヴィンチ文学賞大賞を受賞してデビュー。同年「庵堂三兄弟の聖職」で第15回日本ホラー小説大賞など、新人賞4賞をそれぞれ別の作品で受賞する。18年『宝島』で第9回山田風太郎賞を受賞。

■第160回芥川龍之介賞の全候補作はこの6作品

・上田岳弘『ニムロッド』(群像2月号)

・鴻池留衣『ジャップ・ン・ロール・ヒーロー』(新潮9月号)

・砂川文次『戦場のレビヤタン』(文學界12月号)

・高山羽根子『居た場所』(文藝冬季号)

・古市憲寿『平成くん、さようなら』(文學界9月号)
 作品関連のインタビュー記事を公開中▶「平成はどんな時代だったのか? 古市憲寿が、小説『平成くん、さようなら』でえぐる!」

・町屋良平『1R(いちらうんど)1分34秒』(新潮11月号)

■第160回直木三十五賞の全候補作はこの5作品

・今村翔吾『童(わらべ)の神』(角川春樹事務所)

・垣根涼介『信長の原理』(KADOKAWA)
 作品レビューを公開中▶本能寺の変はなぜ起きたのか――信長の生涯を斬新な解釈で読み解く『信長の原理』

・真藤順丈『宝島』(講談社)
 作品レビューを公開中▶2018年エンタメ小説界の大本命! 沖縄の戦後と“革命”をソウルフルに描いた真藤順丈『宝島』

・深緑野分『ベルリンは晴れているか』(筑摩書房)

・森見登美彦『熱帯』(文藝春秋)
 作品レビューを公開中▶「誰も結末にたどり着けない」謎の本をめぐる、究極の冒険譚! 森見登美彦『熱帯』