オートミールのイメージを覆す! 2つの食感から選べる、お手軽&簡単レシピが満載

健康・美容

公開日:2023/1/11

パリっ子のおいしいオートミールレシピ
パリっ子のおいしいオートミールレシピ』(加藤巴里/ワン・パブリッシング)

 今や健康食として日本でも浸透しているオートミール。しかし雑炊やリゾット、パン、おにぎりなどに近づけて「まるで○○!」として紹介し、元となる食品に近づける手法に焦点を当てているレシピが多いと感じる。

パリっ子のおいしいオートミールレシピ』(加藤巴里/ワン・パブリッシング)は、そんなオートミールをもっと幅広く活用し、「オートミールだから簡単」「オートミールだからおいしい」と思わせてくれるレシピ本。著者の加藤巴里氏は、フランスで料理を学んだのち、料理家の母・脇雅世氏とオンラインでフランス料理教室を行なっており、「あさイチ」など多数のTV番組にも出演している。

 本書には、そんな加藤氏ならではの、オートミールの良さを活かしたレシピが満載。「ぷちぷち、モチモチ感を味わえるレシピ」「カリカリ、ザクザク感を味わえるレシピ」と食感で2つに分類されており、どの料理も思わず食べてみたくなるものばかり。そこで筆者も、早速気になったものをいくつか作ってみることにした。

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「トルティーヤ」(P.28~P.29)

パリっ子のおいしいオートミールレシピ

 1つめは、モチモチ食感とオートミールの香ばしさを味わえる「トルティーヤ」。基本となる生地の作り方はとっても簡単で、オートミールと塩、水を混ぜて電子レンジで加熱し、薄く伸ばしてフライパンで焼くだけ。具材は「トマトとひき肉」を採用した。フライパンで合いびき肉を炒め、ケチャップ、ウスターソース、パプリカパウダー、クミンパウダーで味をつけたものと、刻んだトマトとレタス、ピザ用チーズを作った生地で挟めば完成だ。

 筆者はあまりオートミールが得意ではないため、生地の味つけが塩だけということに不安もあった。しかしいざ食べてみると、オートミール特有のクセが消えている、というか、クセが穀物の香ばしさへと変化していた。こんなオートミールなら、むしろ毎日でも食べたい。それくらいおいしくて衝撃を受けた。

「鶏肉の香草焼き」(P.48~P.49)

パリっ子のおいしいオートミールレシピ

 2つめは、ザクザク食感が魅力の「鶏肉の香草焼き」。塩を振って余分な水分を拭いた鶏もも肉をフライパンでこんがりと焼き、皮を上にしてオーブンの天板にのせて、マスタードとウスターソースを混ぜたものを塗る。鶏肉を焼いたフライパンでオートミール、パセリ、ローズマリー、すりおろしたにんにく、一味とうがらしを炒めて鶏肉にのせ、220度に予熱したオーブンで4~5分焼けば完成。

 一般的には炒めたパン粉をのせて焼くことが多い料理だが、これをオートミールにすることでザクザクとした食感を楽しめる。また、にんにくやハーブを加えてあるためか、こちらもオートミールのクセはまったく気にならず、香ばしさ、食感の良さとプラス面だけが引き立っていた。

「ゼッポリーネ」(P.62~P.63)

パリっ子のおいしいオートミールレシピ

 最後は、ザクザク×モチモチ食感が味わえる「ゼッポリーネ」で、「桜えび味」と「青のり味」を採用。耐熱容器にオートミールと水、砂糖、塩を入れて混ぜ、電子レンジで1分加熱、1分休ませて、再び1分加熱する。ここで生地を2つに分け、片方にベーキングパウダーと桜えび、もう片方ににんにくとベーキングパウダー、青のりを混ぜる。あとは好みの形に成形し、180度の油で揚げれば完成だ。

 表面はカリッとザクザク、中はモッチモチで、うっかり食べ過ぎてしまいそうなほど。このゼッポリーネのすごいところは、冷めても、翌日になっても固くならないということ。少し余ったものを冷蔵庫で保存して翌日食べてみたのだが、食感も良く、不思議なくらい余りもの感がない。なので多めに作ることをおすすめしたい。

 3品とも、クセが強くて食べづらいというオートミールのイメージを覆すおいしさで、だんだん「私はオートミール好きなのでは?」と思えてきた。しかもどの料理も難しい手順はなく、食材もすべて手軽に揃えられるものばかり。本書にはほかにも、「魚の包み焼き」や「クリームコロッケ」「チョコレートケーキ」など、気になるレシピが多数掲載されている。

 オートミールが好きな人にはもちろん、今までのオートミールレシピではイマイチ馴染めない、食べられなくはないけど味が……と苦手意識を感じている人は、本書のレシピを試してみてほしい。きっと口に合う、オートミールだからこそおいしいと思えるレシピに出会えるはずだ。

調理、文=月乃雫

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