ハンバーグは手でこねない――簡単なのに“ちゃんと料理しました感”が出る効率アイデアレシピ60品

暮らし

公開日:2023/7/11

つくりたくなる日々レシピ
つくりたくなる日々レシピ』(長谷川あかり/扶桑社)

 本格的な夏を迎え、あまり食欲もわかないし、台所が暑くて料理がおっくうになってきたと感じている人も多いのではないでしょうか? しかしそんな時だからこそ、しっかり食べなければ具合が悪くなってしまいます。夏バテを乗り越えるためにおススメなのが『つくりたくなる日々レシピ』(長谷川あかり/扶桑社)です。本書は学生時代にNHKの『天才テレビくん』に出演するなど芸能活動をしていて、現在はTwitterフォロワー20万人以上の料理家・長谷川あかりさんによる2冊目のレシピ本。60品のレシピが掲載されています。

簡単なのに丁寧に見える&体にもいい。長谷川さんらしいレシピの数々

 長谷川さんのレシピの特徴といえば、簡単・時短と丁寧な雰囲気のバランスがとってもいいこと。例えば“酒蒸しハンバーグ”のレシピでは、お肉を直接フライパンに入れてゴムベラで混ぜることで、ボウルを使わず洗い物を減らし、手でこねずにラップを使って成形すれば手が汚れることもありません。おまけに(我が家では)ハンバーグの時にしか使わないパン粉も不使用、一番面倒な玉ねぎのみじん切りも不使用という潔い効率化。成形したら同じフライパンで蒸し焼きにするのですが、その時ミニトマトを入れることでソースを作る手間も省略します。ここまで工程を省いているのに、むしろ素材の味が活かされたソースと蒸し焼きにすることでふっくら仕上がったハンバーグからは、“ちゃんと料理しました”感が漂うのが素晴らしいところ。SNSでは本品を作ってみた投稿がいくつも見受けられますが、「簡単で美味しい」との声多数。みなさんトマトのほかにキノコを足すなどアレンジしつつ楽しんでいるようです。

“酒蒸しハンバーグ”が紹介されている第1章のタイトルは「いただきますまで20分 ふだん使いの気楽なレシピ」。その他にも面倒な衣付けの工程を省き、刺身用のサーモンを使うことで火の通り具合も気にする必要のない“サーモンコロッケ”など、工夫をこらしたレシピが掲載されています。

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酒蒸しハンバーグ
 材料 牛豚合いびき肉 220g、牛乳 100ml、片栗粉 小さじ1、塩 小さじ1/2、砂糖 小さじ1/2、ニンニク(すりおろす) 小さじ1/4、ナツメグ 6ふり 以上Ⓐ、ベーコン 1/2枚、バター 10g、料理酒 50ml、ミニトマト 14~20個

①ベーコンは細かく刻んでフライパンに入れ、Ⓐを加える。しっかり粘りが出るまでゴムベラなどでよく練り混ぜて2等分し、楕円形に成形する(柔らかいので、植物油を薄く塗ったラップで肉ダネを包むと成形しやすい)。
②フライパンをキッチンペーパーで拭き、バターを入れて中火で溶かす。①を並べ入れ、3分焼いたら裏返す。
③料理酒を加え、フタをして弱めの中火で5分蒸し焼きにする。ミニトマトを加え、フタをしてさらに5分加熱する(汁気がなくなりそうだったら、水を少量足す)。器に盛り、残った汁をかける。

暑い夏の味方! 煮込み料理&炊き込みご飯も多数紹介

 本書の第2章では煮込み料理、第3章では炊き込みご飯と汁物もしくは副菜の組み合わせを紹介。煮込みも炊き込みご飯も、台所にずっといなくても出来上がる、猛暑に嬉しいお助けメニューです。煮込みの定番メニューである肉じゃがは、肉とじゃがいもしか使わないことで効率化。先にお肉を少し炒めることで丁寧さと美味しさをグンとUPさせたレシピになっています。もともと手軽に作れる炊き込みご飯では、〈長ネギとベーコン〉〈ミョウガと鶏肉〉などおしゃれな組み合わせをいくつも紹介。なかなか自分では思いつかない組み合わせたちに食欲がわいてきます。

シンプル肉じゃが
材料 水 100ml、料理酒 100ml、砂糖 大さじ3 以上Ⓐ、牛バラ切り落とし肉 160g、じゃがいも 中2個、植物油(米油がおすすめ) 小さじ1、しょうゆ 大さじ1と1/2

①じゃがいもは皮をむいて半分に切る。
②深めのフライパンに油を入れて中火にかけ、牛肉3~4枚を加える。
③肉の色が変わったら①、Ⓐを加えてさっと混ぜ、沸騰したらフタをして弱めの中火で10分蒸し煮にする。しょうゆを加え、ときどきじゃがいもを返しながら、フタをしてさらに10分蒸し煮にする。
④残りの牛肉を加え、全体を混ぜる。牛肉が煮汁を吸って色が変わったら、すぐに火を止めてフタをし、5分おいて器に盛る。

 ご本人が“令和の家庭料理”と紹介するように、定番料理や献立の提案なども載っている本書。しかし4章以降は麺料理や遅くに帰ってきたときにおすすめの一品などひとりの食卓の時に使えそうなレシピも並び、多くの人が作ってみたくなるようなレシピ集となっています。「今日は何も作りたくない!」という日のあなたを、きっと助けてくれる一冊です。

文=原智香

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